物理的領域の因果的閉包性


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自己表現について

2019-04-02 その他


以前書いた記事: 読者の視点から見る感想ブログ


● 感想とは?

以前の記事で感想は 感激・感謝・感心・哀感・共感・好感・反感 など「感情を表現するもの」と書いたことがあります。
言い方を替えると「想」は相手の心と読むこともできるので、相手の心を感じる。その感じたものを文章として書き記す。
そういった作業なんだと思います。なので「この演出はこういう意図がある」といったものは感想と言うより考察に近い。


● 自己満足になりすぎない文章

否定的な意見は避けたほうがいいのか?という議題。そのときに必ず「言いたいことを言えばいいだけ」と言う人がいる。
でもそれは結果論であって言いたいことを言いたいけど、それを言ってしまえば読んだ人が傷ついたり不快な思いをする。
言いたいことを言うことがただのエゴであって自己満足にしかならないのなら否定的なことは避けたほうがいいという意味。
リアリティが足りないと言うと「そもそもアニメはフィクションなんだからリアリティなんて存在しない」と言うのと同じ。
非現実的なものに現実味を感じたい、非現実的だからこそ現実味がより現実味として感じられる。結果ではなく中身の話。

結論だけを言って過程を無視する。そういう場面がよくあるし、自分もつい面倒になって前置きを省略することが多い。
自分の文章を客観的に見る、自己満足になりすぎないような文章にするのもそれと似ていて、結論だけに頼りすぎない。
読者が結論だけを求めているのなら「良かった」「面白かった」と書いておけばいい。でも知りたいのはそこじゃない。
基本的には「何が」「どうして」「こうなった」のかを表現できればいいんですが、ツイッターはそこがなかなか難しい。


● 伝わる文章

冒頭に書いたように大事なのは感情を表現し文章化したもの。それを読者に理解してもらうこと。伝えようとすること。
自分が何を伝えたくて、何を汲み取ってほしいのか。自分の感情に合う言葉はこれか?この言葉なら伝わりやすいか?
良い文章が書ける人はそういった相反する感情のせめぎ合いの中で自分なりの表現を見つけるものだと思っています。


● 言葉による束縛

気をつけてほしいのは「言葉に縛られないこと」、例えば懐古主義だから古い作品しか見ないという人がいるとします。
懐古主義という文字はカッコよく見えますが、単にそれは周りの考え方や流行りについていけない言い訳にすぎません。
特定の言葉によって自分に制限をかけることで気持ちは楽になりますが、どんどん閉鎖的になって殻にこもるようになる。
そうなってしまうと表現すること自体が面倒になってくる。でも自分なりの表現や伝達方法を身につけていれば大丈夫。
その人なりの良さがあればいつでも受け入れてくれるし、実際長期間離れていたフォロワーさんの復活劇を見てきた。
自分なりの表現とはどういうものか、それを追求してもらいたいし、成長してもらいたい。健闘をお祈りしております。





闇鍋はにわさんの憂鬱

2019-03-25 その他


思考記録:エガオノダイカと僕の感想と僕という人間 - Wisp-Blog


企画等でお世話になっている闇鍋はにわさんのブログ記事です。
普通の感想ブログとは少し違い、一歩踏み込んだ深い内容を各話ごとに更新されているところが特徴です。


◆ 『僕の感想がどういう理由で自己完結しているのかは自分ではよく分からない。』

以前はにわさんに自己完結してると言ったのは自分です。言いっぱなしで理由までは伝えなかった。
もちろん変に傷付けたくないという気持ちがあってそうしたのですが、悩ませる結果になって申し訳ありません。
3年ほど前インタビュー企画に参加してもらったとき「感想を通して何を伝えようとしてますか?」という質問に
「楽しかった」「感動した」をもうちょっとだけ突き詰めて吐き出したい、できるだけ感情を生のまま文章化しない。
という回答でした。今もその印象は変わってなくて、ブログ記事は各話数にあるテーマを突き詰めて書いてあります。

例えばどろろ第11話の記事では「境界線」というキーワードを板塀・芝居と観客・用水路・父と子に関連付けてある。
これを読むと「なるほど、言われてみればそれぞれに壁がある話だったのかな?」という風に思えるし説得力もある。
でもこれを読んで「楽しかった」「感動した」が伝わってくるかというとそうではなく、読み物としては成立してる。
私が自己完結と言っているのはこういう部分で、境界線の解釈をしていても書いてる人の感情が伝わって来ない。
極端な言い方をしましたが、どこが楽しかったのか?それを伝えるブログではないから答えは書き手の中にしかない。

つまりブログを読んでくれる人に向けたメッセージでありながら、方向としては外側ではなく内側に進んでいます。
自分も昔解釈を追求することにハマっていて、周りも「哲学的だね」なんて言うもんだからどんどん内側に突き進む。
その結果作品の魅力であったり、作品そのものを語ることから離れていって「究極の自分語り」になってしまう。
はにわさんが昔の自分とまったく同じであるとは思いませんが、突き詰めるという作業は必然的にそうなってしまう。
それに気付いてから自分の場合は第一印象をツイッターにつぶやいてから他の感情はブログに残すことにしました。
絶対これが正しいというものがあるわけではないから、はにわさんには今まで通り活動してほしいと思っています。




【劇場アニメ版】 自分の趣味全開で絶対見たほうがいいと思うアニメ10選

2019-03-08 その他


◆ 王立宇宙軍 オネアミスの翼 [1987]


監督・原案・脚本は山賀博之さん。制作はGAINAX。音楽は坂本龍一さん。
「天空の城ラピュタ」が1986年、「となりのトトロ」が1988年公開。監督の山賀さんは当時24歳。総製作費8億円。
公開時期やスタッフ陣を考えるとすごいエネルギーで作られたんですね。地味な内容ですが、語り継ぎたい名作です。


◆ 機動警察パトレイバー the Movie [1989・1993]


「機動警察パトレイバー」の劇場作品。第1作と第2作両方見てほしい。制作はProduction I.G。監督は押井守さん。
押井監督作品で言えば「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」「GHOST IN THE SHELL」そしてこの2作品。
とりあえず最低でも4つの劇場作品は見たほうがいいですね。第2作は何度も見たくなるほど中毒性の高い内容です。


◆ 人狼 JIN-ROH [2000]


制作はProduction I.G。原作・脚本は押井守さん。監督・絵コンテは沖浦啓之さん。演出は神山健治さん。
CGを極力使わずセル画でのアニメーションにこだわった作品。地味で重い内容ですが、大人が見るべきアニメです。


◆ 空の境界 [2007-2009]


3Dアニメ版や「未来福音」もありますが、ここでは第七章『殺人考察(後)』までを指します。制作はufotable。
今は何章かに分けて公開なんてよくあるパターンですが、当時は珍しかったんですよね。確かに全7章は大博打。
これを企画・提案したufotable社長の近藤光さんと現アニプレックス社長の岩上敦宏さんはすごいですね。


◆ マイマイ新子と千年の魔法 [2009]


制作はマッドハウス。監督・脚本は片渕須直さん。
片渕監督作品と言えば「この世界の片隅に」が有名で「アリーテ姫」もありますが、どちらもしっくりこなかった。
昭和30年が舞台とあって戦後の側面が大きく関わってきますが、「火垂るの墓」ほど辛辣ではなく心温まる物語。


◆ 魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st [2010]


TVシリーズの第1期「魔法少女リリカルなのは」にオリジナルシーンを加えた総集編っぽい劇場作品。
制作はセブン・アークス。監督は草川啓造さん。TV版から6年後となると視聴者側の意識も変わっている。
そこを上手く再編集して時代に合った「なのは」が表現されていて高評価。TV版「なのは」と見比べてほしい。


◆ 涼宮ハルヒの消失 [2010]


制作は京都アニメーション。監督は武本康弘さん。総監督は石原立也さん。
TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」を見ていないと理解は難しいですが、設定さえわかれば映画単体でも楽しめる。
TV版のアナザーストーリーとしての出来も評価したいし、202分の尺でやれることはやった感は十分伝わってくる。


◆ イヴの時間 [2010]


WEB配信版もありますが、こちらは再編集に新作シーンを加えた劇場版。制作はスタジオ・リッカ。
監督は吉浦康裕さん。会話のテンポや3Dモデリングによるアングルの変化など、この作品特有の良さがあります。


◆ UN-GO episode:0 因果論 [2013]


TVアニメ「UN-GO」の前日譚として公開された劇場作品。制作はボンズ。監督は水島精二さん。
リアルタイムでTVシリーズを見ているときはあまりピンとこなくて、この因果論を見て作品が好きなった。
後々わかったのは脚本家がそういう性格でノイタミナだからできたこと。視聴者をふるいにかける戦法嫌いじゃない。


◆ たまこラブストーリー [2015]


制作は京都アニメーション。監督は山田尚子さん。TVアニメ「たまこまーけっと」のアナザーストーリー。
このあとに「聲の形」「リズと青い鳥」と山田旋風を巻き起こすわけですが、もっとも青春みが濃厚なのがこの作品。
TV版のときに「鳥はいらねー」と騒がれて鳥を排除してみたらあらま名作ができちゃった。そんな不遇の末の大金星。




【TVアニメ版】 自分の趣味全開で絶対見たほうがいいと思うアニメ10選

2019-03-07 その他


◆ まほろまてぃっく [2001]


GAINAXとシャフトの共同制作。監督は「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の山賀博之さん。2期と特別編2作あり。
GAINAX作品としては「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」「彼氏彼女の事情」よりも後の作品。
アンドロイドのメイドまほろが中学2年生の美里優と暮らしながらラブコメ・ドタバタコメディ中心の盛りだくさんな展開。
軽いノリだけではなく割と重めなシリアス面も描くので振り幅が大きい。そこは好みが分かれるところ。だが隠れた名作。


◆ 灰羽連盟 [2002]


全13話。制作はRADIX。2012年にゼロジーがラディクスの権利を取得、事実上ゼロジーに吸収合併された会社。
ざっくり説明すると天使になりきれない少女たちの日常物語。閉鎖された街で生き抜こうとする姿がとても愛おしい。
Hulu、FOD、バンダイチャンネル、ツタヤTVで2話以降有料になりますが配信してます。とりあえず1話だけでもどうぞ。


◆ LAST EXILE(1期) [2003]


全26話。制作はGONZO。監督は「フルメタル・パニック!」「ラクエンロジック」の千明孝一さん。
「ラストエグザイル-銀翼のファム-」というタイトルの2期もありますが、1期だけでやめておいたほうが得策です。
内容は複雑なので見てもらったほうが早い。海外で人気がある作品。村田蓮爾さんのキャラデザと物語が良いです。


◆ GUNSLINGER GIRL(1期) [2003]


全13話。制作はマッドハウス。監督は「カードキャプターさくら」「ちはやふる」の浅香守生さん。
2期の「-IL TEATRINO-」は制作もスタッフも変わってしまったのでこの作品も1期でやめておいたほうが得策です。
義体化された少女たちが暗殺を主とした組織で戦う物語。ガンアクションよりもドラマ性が強いところがとても好き。


◆ ef - a tale of memories.(1期) [2007]


minoriの解散で名前の挙がることの多かったefシリーズの1期。全12話。シャフト時代の大沼心監督作品。
2期も良かったのですが、シリアス多めなのでおすすめは1期のみ。演出と背景美術が素晴らしい作品です。


◆ 放浪息子 [2011]


全11話。制作はAIC Classic。監督は「空の境界 俯瞰風景」「喰霊-零-」「アルドノア・ゼロ」のあおきえいさん。
女の子になりたい男の子の話。思春期におけるトランスジェンダーを独特の水彩画タッチで描いてるところが魅力。


◆ 戦姫絶唱シンフォギア(1期) [2012]


全13話。制作はサテライト(第2話まではエンカレッジフィルムズ)。監督は伊藤達文(玉川達文)さん。
5期までやろうとしてますが、やはり1期が斬新でエッジが効いてた。これぞオリジナル作品って感じが好き。


◆ ゆゆ式 [2013]


全12話。制作はキネマシトラス。監督は「えんどろ~!」のかおりさん。
あえて説明する必要もないですね、ゆゆ式は哲学。日常系の作品では一番と言っていいくらい好きな作品。


◆ 響け! ユーフォニアム(1期) [2015]


全13話。制作は京都アニメーション。監督は「CLANNAD」「日常」の石原立也さん。
こういう女の子同士のギスギスした感じが好きなんですよね。黒沢ともよちゃんの演技がすごい。青春はいいぞ。


◆ 放課後のプレアデス [2015]


全12話。制作はGAINAX。監督は「この醜くも美しい世界」「これが私の御主人様」の佐伯昭志さん。
魔法少女モノというよりも少女たちの青春物語という側面がお気に入り。いろいろ考えさせられる奥深い作品です。
すべてを説明してくれないので表面だけ見るとわかりにくい部分もありますが、それだけ想像の余地があって面白い。




2019年新年のご挨拶

2019-01-01 その他


明けましておめでとうございます。引き続き今年もインタビュー企画をよろしくお願いします。
今年は途中から年号が変わるということで、昭和64年から平成元年になったときのことを思い出します。
数日前からもうすぐ死ぬぞ死ぬぞとテレビで騒いで、死んだ瞬間から新しい時代になるぞ!と騒ぐわけです。
年号が変わるからって何が変わるの?と思ってましたが、今回も同じように騒ぐだけで実感はないでしょうね。
昭和64年であろうが平成元年であろうが同じ1日で、特別何かが大きく変化するということはないんですよね。


独創的 --

何かの新しいものをはじめて観察することではなく、古いもの、古くから知られていたもの、
あるいは誰の目にもふれていたが見逃されていたものを新しいもののように観察することが真に独創的な頭脳の証拠である。


これはドイツの哲学者ニーチェの言葉です。
あの人は独創的だとか斬新だとか、あたかも生まれてからそうであったように思いがちですが、それは違うということ。
新しいものはすでにあるもの、当たり前だと思っていることが、異なる考え方や捉え方で違うものとして見えているだけ。
アニメもそうですよね、同じ作品・同じ話数を見てもアウトプットされるものは人それぞれ違うし、違うからこそ面白い。

作品自体が元から新しいものとして作られているのではなく、過去作品のオマージュを複数取り入れているからそう見える。
さらに視聴者が考え方や捉え方の違いでいろんな魅力を見つけ出して発信していく。作品も視聴者も独創の宝石箱ですね。
インタビュー企画も同じ質問で回答してもらい、個々の違いを楽しんでもらう企画。どう考えるか、どう書くかの違いだけ。
年号が変わることで今日という日は変わらない。でも年号が変わることで新しいものが生まれてくると信じて受け入れたい。




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