物理的領域の因果的閉包性


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響け!ユーフォニアム2 第2話 『とまどいフルート』 感想

2016-10-14 2016


脚本:花田十輝 コンテ:武本康弘 演出:石立太一 作画監督:丸木宣明



傘木希美が退部届を提出し田中あすかと会話するシーンに出てきた『樂毅論夏侯泰世人多以樂毅不時拔莒』という書。
これは魏の武将で政治家の夏侯玄が書いた「楽毅論」の冒頭部分です。あの文のあとに『即墨論之』と続いています。

世人多くは楽毅が時に莒、即墨を抜かざるを以てこれを論ず。


楽毅は中国戦国時代の武将。莒、即墨は城の名前です。わかりやすく言うと
「世人の多くは楽毅が好機にありながら莒と即墨の二城を攻略しなかったことをもって楽毅についてあれこれと論ずる。」
となります。そして文章はさらに続き『夫求古賢之意宜以大者遠者先之必迂迴而難通然後已焉可也』となります。

それ古賢の意を求むるは、よろしく大なる者遠き者をもってこれを先にすべし。
必ず迂回して通じがたく、しかるのちにやむはこれ可なり。


となって、わかりやすくすると
「だが古の賢人の真意を知ろうとするならば、少なくとも大所高所よりこれを判断すべきであろう。
どんな場合でもそうした高遠な見地に一度は立ってみるべきであり、それでも判然としないならそれはやむを得ないといえるだろう。」

となります。楽毅がどういう人物で何をしたか、というよりも、偉い人の真意はその人の立場になってみないとわからない。
ということのほうが大事なんでしょうね。もしかしたら「楽毅」は「楽器」だと言いたいのかもしれませんが、それはただの冗談。
つまり希美のように辞めた人間が、コンクールまでの苦労を知らない人間が余計な口を挟むなと、あすかは言いたいのかな。
でも「高遠な見地」、つまり「特別になる」には吹部に戻って関西大会に一緒に出場することも大事なんじゃないかと思います。
一筋縄ではいかない展開ですが、希美には復帰してもらって南中カルテットを結成しアニサマに出てほしいですね。おいおい。




灼熱の卓球娘 第2話 『譲れない場所』 感想

2016-10-12 2016


脚本:倉田英之 コンテ:入江泰浩 演出:森賢 
作画監督:池津寿恵、二宮奈那子、松尾亜希子、ぎふとアニメーション、森賢、多田靖子



第2話で気になったのは、コンビニでの回想。旋風こよりが上矢あがりに避けられているかもしれないと言ったシーンです。
お尻にあがりのバッグが当たって床に落ち、弁当箱が見える。この出来事によってあがりを怒らせてしまったと言うこより。
話の流れから解釈すると、朝の練習前か練習後に弁当箱を落としてしまい、そのことを気にしたあがりは昼食をパンにした。
さらに怒っていたからこよりと一緒に昼食を取らずに食堂で食べた。(と、こよりは思っている。)実際は部室の入口で食べた。
原作未読ですが、この考え方が正しいと思われます。でも弁当箱が放課後の練習前に落とされたなら解釈は変わってきます。

『私、今日パンだから。』と言って教室を去り、こよりを避けている態度を見せたあと、放課後に弁当箱が落ちたのだとしたら、
今日はパンと言っておいて実は弁当を持ってきていた。つまり嘘をついてまでこよりを避けたかった。それがバレたから怒った。
そういう風にも考えられますよね。放課後はこよりと天下ハナビの対決場面からしか描かれていないので、可能性はあります。

ではこの事でどういう違いが出てくるかというと、単に弁当箱を落とした罪と避けられている原因がわからないまま落とした罪。
結果は出雲ほくとの『そんな事で怒るような子じゃない』というセリフで解決しますが、こよりの精神的な重みは違うでしょうね。
エースであることの重みとあがりに対する罪の重み。これが描かれることによって対決がより引き締まってくるような気がします。




ろんぐらいだぁす!第1話 『小さな奇跡』 感想

2016-10-09 2016


脚本:高橋ナツコ コンテ・演出:吉原達矢 
作画監督:普津澤時ヱ門、大高雄太、和田たくや、実原登 自転車作画監督:伊集院いづろ



第1話Aパート。自転車を見に行く倉田亜美(cv.東山奈央)と新垣葵(cv.五十嵐裕美)。
1軒目の『Alpaca Cycle』では値段が高くて買えず、2軒目の『サイクルショップ ほしみ』で運命の出会いを果たす。
自転車に近寄り「でも、やっぱり、高くて買えないんじゃ...」と言ってから音楽は止まり、無音を経て再び音楽が流れる。
値段を見ても信じられない倉田亜美。しっかりとした金額を認識するまでの約2秒間が無音になっているんですよね。
劇伴をぶつ切りしているわけではなく、2つの曲をつないでるわけでもない。元からこういう1つの曲だったんだと思います。
曲の尺に合わせて映像を作り、タイミングを合わせているんだと感じました。そのくらい自然な流れで曲が流れていました。




そして「この子に決めたよ!!」と言って購入を決意します。でも曲はまだ続いています。
「さくらの散歩道」の看板を描写する短いカットがあって、綺麗な桜の並木道を2人で自転車を押しながら歩きます。
もう少しで曲が終わりそうという瞬間に「即決だったな」という新垣葵のセリフが入り、ここでようやく曲が終了する。
そしてその直後に倉田亜美の「だって、居ても立ってもいられなくて...」というセリフが入り、歩きながらシーンが切り替わる。

この第1話はほとんどの場面で倉田亜美の心情に合わせた曲の始まり、そして終わり。シーンごとの劇伴ではないんですね。
曲が感情に寄り添っているからこそ、自然に曲が画面に馴染んで耳に入ってくる。とくにこのAパートのシーンは素晴らしい。
すべてがこれに準じて作られているわけではなく、コミカルな音楽のときはシーンの終わりと同時に曲が終了するところもある。
劇伴の始まりと終わり。ここに注目しながら見ると、曲が映像の土台を支えてるんだなぁということが感じられると思います。




印象的だった話数で2016年を振り返る

2016-08-07 2016

◆ 昭和元禄落語心中 第九話
脚本:熊谷純 コンテ・演出:木村延景 作画監督:森本浩文、佐藤このみ、藤田正幸 総作画監督:中嶋敦子



大きく物語が動いた第9話。画面上半分だけ使って下は真っ黒だったり、助六とみよ吉が抱き合うシーンでは川の映り込み。
天国と地獄のように上下を意識した画面作りになっていたし、重たいシーンでの『感情の逃がし方』がとても素晴らしかった。
声優も演技も一流なので、下手に画面で盛ると重すぎる。直接的な表現を減らして感情に寄り添うような演出が光っていた。


◆ ふらいんぐうぃっち 第4話 『桜の中の占い師』
脚本:福田裕子 コンテ・演出:倉川英揚 
作画監督:芝田千紗、徳田賢明、前田義宏、藤部生馬 総作画監督:安野将人



単に犬養さんが好きなだけですが、犬っぽいときと素顔のギャップ、美人で巨乳なのに酔っ払うとだらしのないところ。
男の好みをすべて詰め込んだかのようなパーフェクトキャラ。真琴の作った金平糖を食べて本気の犬になるとこが笑えた。
全話通して、間のとり方や背景の綺麗さ、演技やキャラ立ちの良さ、どれを取っても安定感バツグンの作品でしたね。


◆ ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン Episode 02 『不本意なる褒賞』
脚本:ヤスカワショウゴ コンテ:浅香守生 演出:若林邦甫 
作画監督:桜井このみ、飯飼一幸、佐藤このみ、JEE JOONYYUN、ZANG YOU SHICK 総作画監督:宇崎暢芳



1話がほぼキャラ紹介だけだったので見る気失せてたんですが、時間あるからと見てみた2話がとても面白かった。
頭脳派なイクタと武闘派なヤトリ、そのやりとりだけでも楽しいのに、コミカルな面も見せるなんでも第三皇女シャミーユ。
この3人がとくに楽しい。第2話後半、シャミーユがイクタの過去を語りながら徐々に高揚していく感じが演技も含め最高。
世間知らずな皇室育ちゆえ、むやみに権力を振りかざす未熟さが12歳らしさを際立たせていて、とても秀逸なシーンだった。


◆ 機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY
脚本:松尾衡 コンテ:松尾衡、寺岡厳、カトキハジメ 演出:松尾衡、吉沢俊一、綿田慎也
作画監督:高谷浩利、玉川真吾、田頭真理恵 総作画監督:高谷浩利



TVシリーズではなく劇場版ですが、ロボアニメが苦手な自分としては珍しく集中力が切れずに最後まで見れた作品。
松尾監督といえばミュージカルというイメージ。それをガンダムで、しかも今までと違うアプローチで攻めたとこが高評価。
音楽の主張が強い作品も苦手ですが、極限状態の死闘で流れる曲たちが血湧き肉躍るように自然と耳に馴染んでくる。
細かい説明など無く、ひたすら戦いに没頭する姿は、ベトナム戦争モノのアメリカ映画を見ているようで楽しかったです。


◆ スケッチブック ~full color's~ Page.10 『出会いの先』
脚本:岡田麿里 コンテ:木村隆一 演出:佐藤清光 作画監督:梶浦紳一郎



2016年の作品ではありませんが、駒々真子さん @komagomamako に教えてもらって最近見たばかりなので、まとめ。
第2話は主人公の梶原空がいつもの習慣をやめて冒険する話。そしてこの第10話ではいつもの裏山で写生会をすることに。
いつもの場所でいつも通り絵を描くわけですが、そこで秋を目で、肌で感じる。2話では自分が行動して周りの違いを感じてた。
つまり自分が動いて変化を捉えようとしなくても変化を感じ取れるようになった。そして筆で上手く書けなかった絵が手で描けた。
この手で絵を描いたのは根岸みなも。2話の梶原空と状況がよく似ています。自分で行動し部室に来て部員と関わりを深めた。
前後半でそれぞれの成長を描きながら、どちらも否定することなく捉え方次第で成長できることを示した奥の深い話数でした。




NEW GAME!第5話の、ここが素晴らしい。

2016-08-03 2016

NEW GAME!第5話 『そんなに泊まり込むんですか?』
脚本:藤原佳幸 コンテ:原口浩 演出:寒川歩 
作画監督:山中いづみ、朱原デーナ、岡本恵里香、和田清美 総作画監督:菊池愛



タブレットペンを家電量販店に買いに行くはじめと青葉、財布を忘れて一度会社に戻っていますが、なんとか無事に購入。
その帰り道、「おっちょこちょいな先輩でごめんね~」と照れながら言うはじめに「そんなぁ~」と照れながら両手を振る青葉。

家電量販店を出てからこのシーンになるまで青葉の両手は見えず、商品を買ったのに忘れたのでは?と思ってしまった。
しかし「そんなぁ~」と言った瞬間にほんの少しだけ左手の親指のところに黒いものが見える、そして照れ隠しに舌を出す。
「青葉ちゃんはそれでもかわいいし~」というはじめに「え!?はじめさんだってかわいいですよ~」と再度両手を振る青葉。

2度目に青葉が両手を小刻みに振るまで、タブレットペンが入った黒い袋は明確にわかりやすく描写されてないんですよね。
でも1度目に両手を振ったとき、見えるか見えないかの微妙なタイミングで黒い袋を持っていることがわかるようになってる。
もちろん袋を持っていなければ作画ミスですが、リアルタイムで見ているときは2度目のシーンでしか認識できませんでした。
なんでもないようなシーンですが、これはあえてこういう見せ方をしてると思うので、芸が細かいなぁと感じたシーンでした。




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