物理的領域の因果的閉包性


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マイベストエピソード企画

2019-06-06 ベストエピソード


◆ 記事一覧

劇場を除くアニメ作品から好きな話数を5~10選び、好きな部分や選出理由を書いたものを記事にするという企画。

※ 話数ごとのコメント以外は掲載しておりませんので、詳細は元記事のほうでご覧ください。

ぎけん【アニメ】 マイベストエピソード7選
SIGERUさん【アニメ】マイベストエピソード10選
shiroooさんマイベストエピソード10選
こばいもさんマイベストエピソード7選
ヒサゴプランさんマイベストエピソード企画
エーテライトさんマイベストエピソード7選
磯貝祐司さんマイベストエピソード10選
・ じゅじゅるさん:マイベストパンチラエピソード 7(6+1)選
田舎の少年さんマイ・ベストエピソード9選
かてぽんさんマイベストエピソード 5選
たつやんさんマイベストエピソード8選
・ じゅじゅるさん:マイベストエピソード5選
proserさんマイベストエピソード5選
子記さん一点突破で選ぶマイベストエピソード
ぱんさんマイベストエピソード10選
クロスケさんアニメ マイベストエピソード8選
羽海野渉さんマイベストエピソード10選 敢えてノイタミナ以外で!
MHさんマイベストエピソード9選
・ ぬーぼーさん:心に残っているマイベスト話数7
Takashiさんマイベストエピソード10選
ヨークさんベストエピソード5選
りきおさんマイベストエピソード10選~りきお選
闇鍋はにわさん作品を見る目が変わったマイベストエピソード8選
九州人さんアニメ・マイベストエピソード5選
ぽんずさんTVアニメマイベストエピソード7選
と~しきさん【アニメ】マイベストエピソード 7選
田舎の少年さんマイベストエピソード 番外編(食事に関するシーンをまとめてみた)
有村行人さんマイベストエピソード、5話
たこやきさんマイベストエピソード5選+1
コマヤシさんマイベストエピソード7選
ねりまさんマイベストエピソード10選
namaさんマイベストエピソード企画
・ いたみすなさん:主に2000年~の日本アニメ! マイベストエピソード10選
宇宙ネコさんアニメ マイベストエピソード5選
すぱんくtheはにーさんアニメ話数単位マイベストエピソード10選
いちじろーさんマイベスト“雨の日”エピソード5選
・ 和月龍弥さん:マイベストエピソード9+1選
ハヤブサさん脚本家で見た、マイベストエピソード・選
軍曹さん【アニメ】マイベストエピソード10選
みらさんTVアニメ・マイベストエピソード10選
真弓さんマイベスト「台詞&演技」エピソード7選
橡の花さん「俺たちが好きなBONESアニメ」より、10選
ウインドさんベストエピソード10選~B級アニメを中心に~
・ お餅ナさん:何度も見直したTVアニメベストエピソード10選
・ 長谷川マンさん:マイベストエピソード企画 10選
鈴木ピクさんアンニュイな気持ちになる、アニメ・マイベストエピソード5選
・ highlandさん:マイベスト<美少女アニメ>エピソード10選
・ animeiさん:マイベストエピソード9選
・ an_shidaさん:アニメマイベストエピソード10選
駒々真子さんアニメマイベストエピソード
なーるさんマイベストエピソード企画、やってみました。
taraさんアニメマイベストエピソード10選
テリー・ライスさんざっくばらんにアニメで好きな話数を10本集めてみた。
あっつさんこれからとここからのマイエピソード5選
・ ぎけん:【TVアニメ】 マイベスト監督脚本回 7選
駒々真子さんアニメマイベストエピソード(その2)――上にまつわるエトセトラ
びっぐべんさん忘れられないエピソード10本



◆ マイベストエピソード記事のコメント

SIGERUさん


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忘れられないエピソード10本

2017-09-30 ベストエピソード


writing by びっぐべんさん @bigbenbigben


1.
ストライクウィッチーズ2
第6話 「空より高く」


脚本・絵コンテ・演出 佐伯昭志
キャラ作画監督 小島智加 阿蒜晃士 服部憲知
キャラ総作画監督 倉嶋丈康
メカ総作画監督 寺尾洋之

 Bパートでいつも泣いてしまう。泣きたいときに観るもこともある一本。
シーンだけ抜き出すと軍における政治を感じさせるシーンやギャグシーンにサービスシーンまであるが、
全体で観ると触れるだけで割れてしまいそうな繊細さに彩られており、胸が締め付けられそうになる。
 佐伯昭志さんは1期から続けて参加していてシリーズ全体を特にシリアスさの面から引き締めるエピソードを担当しており、
1期の6話は脚本・絵コンテとしてサーニャの回を担当している。
そちらもサーニャの過去に宮藤の父親に対する想いの掘り下げも絡めた良い話だけれど、本エピソードは特にエイラに重きを置いている。
 1期6話では逆のようにみえるエイラとサーニャの力関係が、
実はサーニャの方が先を歩いてエイラは支えたり追いかける立場にいるというのが分かる。
2人だけだと完結してしまう関係が、宮藤やペリーヌ、エーリカといった異物によってその力関係が
あらわになるのも面白い。そしてそれは、二人にとって501部隊が「帰るべき場所」である理由にもなっている。
 エイラとサーニャのキャラソン『Sweet Duet』をわざわざ新規アレンジにして尺を調整した上で使うなど
佐伯昭志さん自身も二人の関係性に相当思い入れがあるように感じられたが、
その後に佐伯昭志さんが監督した『放課後のプレアデス』のすばるとみなとの関係はこの発展型なのだろう。


2.
無限のリヴァイアス
Sere21 「あしたなんかいらない」


画コンテ・演出 杉島邦久
作画監督 西田亜沙子

 『無限のリヴァイアス』は今のアニメ視聴スタイルになる前に観た作品の中で最も心に突き刺さった作品だった。
自分でビデオをレンタルした初めての作品だったように思う。その中で一つ忘れられないエピソードを上げるとしたらこの話数。
 それまでアニメや映画、TVドラマなど媒体問わず映像作品に触れることなく、どちらかと言えば小説を読むことの方が多かった当時。
当然キスシーンも文章上のものとなるわけだが、そういったシーンにここまで哀しさを覚えることがなかったので衝撃を受けたことを今でも昨日のように思い出す。
 あおいに「これは現実なんだ」と伝える昴治が、自分の言葉を引き金にそのあまりの哀しさ、やりきれなさに涙を流してしまう。
二人のなかで哀しみが反響しあう中、互いの哀しみをかばい合うように身体を重ねる。
冷たい部屋の中、元々意識しあっていた二人が、心に抱えた痛みを慰めあうように結ばれたやるせなさに、
一視聴者である自分もどうしようも無く哀しくなってしまい、涙を流しながら視聴していた。


3.
魔法少女まどか☆マギカ
第10話 「もう誰にも頼らない」


脚本 虚淵玄
絵コンテ 笹木信作
演出  八瀬祐樹
作画監督 伊藤良明、潮月一也

 ニコニコの最速配信の後配信されたこの話数は、しばらく放送休止になったことと就活がストップしたことが重なり、
一週間近くひたすらループして観続けていた。そういうプライベートな事情も相まって自分の中で大きな部分を占めるようになったエピソード。
 今観直すと、斎藤千和さんのほむらは言わずもがな、悠木碧さんのまどかの演技がとても良い。
リスペクトしてる沢城みゆきさんのブレス音の混ぜ方をより進化して、自然さと深夜アニメ的可愛らしさがうまく両立されてる。
 作画の面でいうと、ひだまりスケッチシリーズでずっと蒼樹うめ先生の絵柄の変遷に合わせ
キャラクターデザインを続けていた伊藤良明さんが、ここにきて作監担当だったのは
ラインプロデューサーだった岩城忠雄さんの思いもあるのだろうか。
GoHandsスタッフまでいたことにも驚いた。個人的に好きな今村亮さんのパートもあったのも嬉しい。
 9話、10話あたりは特にそうだけど、悲劇の話だからこそ、画はより美しい。
それは『The Soul Taker』以来の新房昭之監督の美学だよな、と思う。


4.
響け♪ ユーフォニアム Sound! Euhonium
第十二回 「わたしのユーフォニアム」


脚本 花田十輝
絵コンテ 演出 三好一郎
作画監督 丸木宣明
作監補佐 岡村公平
楽器作監 高橋博行

 全体的に熱いこの作品の中で、とりわけ一カット一カットの熱量が高い回。
「あなたのできますという言葉を、私は忘れていませんよ」脚本の花田十輝さんをして
印象に残ったシーンだという三好一郎さんのオリジナルの台詞が心に残る。
部活動への取り組み方について色々言われている昨今だが、普段厳しい先生からこんなこと言われちゃったら頑張らずにいられないではないか。
 実のところ、いくら滝先生が優秀とはいえ一年目でここまでは言えないのではないか、
これは滝先生というより三好さんから社内の後輩たちに対する言葉なのではと思ったりもしていて、
京都アニメーションがこの10年どんどん人材を輩出してもなおクオリティが向上する理由が何となく、分かる気もするのである。


5.
ピンポン THE ANIMATION
第11話 「血は鉄の味がする」


絵コンテ・演出 湯浅政明
作画監督 : 伊東伸高 浅野直之 戸田さやか 西垣庄子
Special Thanks 松本大洋

 どちらかと言うと10話の方をよく観返していたのだけれど、
今回の企画のために観直していたらこちらを推したくなってしまった。
 BD-BOXのブックレットにあった湯浅監督の「ヒーローを待っていたのは松本先生なのではないか」
というのが忘れられない。もちろん、湯浅監督もその一人なのだろうし、
その延長線上に『夜明け告げるルーのうた』があるというのも感慨深い。
 「卓球をアニメーションで表現するのは最終話でようやく出来た」というのもブックレットにあったが、
それまでのエピソードと見比べると星野vs月本戦はカット割りでなくアニメーションとしてスピード感を出してるのがよく分かる。


6.
ソードアート・オンライン
#15 「帰還」


脚本 中本宗応(セブンデイズウォー)
絵コンテ 松本正二
演出 池田重隆
作画監督 渡辺るり子
(以下本編クレジットより)
総作画監督 足立慎吾
作画監督 渡辺るり子 斎藤敦史
アクション作画監督 柳 隆太

 ソードアート・オンラインの話をするときはいつも1期2クール目が出色なんだと切り出している。
タイトルであるSAO自体は1クール目でクリアしてしまうのに、その後の物語となる2クール目によって、
SAOによって変わってしまった現実世界での関係性や価値観が浮き彫りになる構成がうまくハマっているからだ。
 この構成を成立させている一つには盤石なコンテスタッフ体制もあると考えていて、
特に2クール目は21話のタムラコータローさん、22話に長井龍雪さん、23話に荒木哲郎さん、
24話に高橋亨さん、最終話は監督コンテ演出と非常に豪華なリレーとなっていたりするが、
その最初の話数であるこちらはハードルが高い中、非常にインパクトあるエピソードとなっている。
 「映像で匂いや味、感触といった伝わらない感覚を伝える作品は凄い」というのは自分の先輩の言葉だけれど、
アスナの病室におけるキリトと須郷のやり取りでそれを思い出していた。
 脱線してしまうが、dアニメストアの配信でクレジットが変わっているんだけど、大丈夫なのだろうか。


7.
血界戦線
#11 「Paint It Black」


脚本 古家和尚
絵コンテ 伊藤智彦 松本理恵
演出 阿部雅司
総作画監督 杉浦幸次
作画監督 村井孝司 長谷部敦志 森島範子 諸石康太
エフェクト作画監督 橋本敬史

 血界戦線というと5話か最終話を挙げる人が多いと思うのだけど、自分はあえてこちらを選択したい。
なぜなら、このエピソードほど一人の声優にTVシリーズの全てが託された話数を自分が知らないからだ。
 この話数はアニメオリジナルキャラクターかつヒロインであるホワイトの過去の話であり、
必然的にアニメオリジナルストーリーである。ホワイトの双子の兄であるブラックとの幼少時代、
成長後の二人に起きた悲劇、そして現在ブラックの身体を支配している、TVシリーズとしての敵役である絶望王。
最終話前のシリーズをクライマックスに導く話数でヒロインラスボス含む実質5人を、釘宮理恵さんは一人で演じている。
 多くのインタビューで述べられているように、血界戦線は松本理恵監督をプッシュする形でスクラムを組まれており、
スタッフ及びキャストも出来る限り松本監督の希望に沿って編成されていった。ホワイトのCVを担当した
釘宮理恵さんも、松本監督の希望だと考えてよいだろう。実績もそれこそ少年役、ヒロイン役、ラスボス役全てに実績があるし、
松本監督の前作である『京騒戯画』でもヒロインであるコトを演じており監督も全幅の信頼を置いているはずだ。
 しかし、それを最終話前というシリーズ全体をまとめ上げる一つの話数で、全員を演じてきっている所が凄い。
本編を観ているときには全く意識せず、最後のクレジットで気づき、
あらためて釘宮理恵さんという声優の凄みと、その実力を信じた松本理恵監督の覚悟を感じたのである。


8.
R.O.D. THE TV
第1話 「紙は舞い降りた」


絵コンテ 舛成孝二
演出 作画監督 石浜真史

 J.C.STAFFがまだ今のように大量に各話に総作画監督や作画監督を付ける物量作戦でいく前、
OVA的作り方をして後半疲弊する、という感じだった最後の頃の作品。90年代スタジオディーンの
アクションアニメの系譜にあるOVA版に対し、こちらはゲーム業界に流れて若手がいないという話が
インタビューの話題によく出ていた中、後の00年代以降を支えるアニメーターが多く参加した作品だった。
 紙使いという物量も半端ないけど自由度もその分凄くなる設定でアクションもエフェクトも存分に楽しめる上、
『かみちゅ!』にも繋がる日常芝居も堪能できる非常に面白いアニメでもある。
何気にディーンで使っていたという理由でJCなのに撮影ソフトにAnimoを使ってるなど、
舛成孝二監督の徹底したこだわりも感じられる。
 自分が初めて自発的にコマ送りをした作品であり、スタッフクレジットを全部書きだした作品でもある。
コマ送りしたのはBパート、飛行機内に突入してテロリストをやっつけるアニタのくだり。
ここは間違いなく細田直人パートだと思って作画wikiにも書いたりしてたのだが何度か別の人に直されてたりした。
BD-BOXのコメンタリーだかでパート確定したみたいで一安心。


9.
THE IDOLM@STER アイドルマスター
第20話 「約束」


脚本 土屋理敬
絵コンテ 高雄統子
演出 原田孝宏
作画監督 松尾祐輔

 横山彰利さんがコンテだった律子回の第18話「たくさんの、いっぱい」と迷うけど、
『Steins;Gate』と並び2011年に躍進した今井麻美さんを代表するエピソードのこちらを選択。
これまで積み重ねてきた千早の伏線を解消する回であり、23話以降の春香の伏線も張られる回でもある。
春香役の中村繪里子さんの演技も素晴らしい。
 春香が千早のマンションに行くシーンは一回目、二回目共に影の使い方やカメラの置き方に凝ったうえで、
キャラクターの各パーツが非常に整理されて洗練された画作りになっていてこれだけでも圧倒される。
エンディングのシーンも本当に良い。自分はサトラジリスナーだったので、エンディングのクレジットでも泣きそうになった。


10.
CLANNAD もうひとつの世界 智代編

絵コンテ・演出 高雄統子
作画監督 堀口悠紀子

 先に挙げた高雄さんについて、代表作というと実はこちらだと思っている。
そして、個人的には「けいおん!」よりも「たまこラブストーリー」よりも、こちらが堀口悠紀子さんの最高傑作だとも思っている。
 アニメスタイルのインタビューでも語られていたが、よくペアを組んでいて印象が強い山田尚子さんの演出スタイルは
登場人物が感情を見せる場面で表情ではなく手や脚元を見せる描写が多い。
そういう描写に慣れてしまうと堀口悠紀子さんのスタイルであるようにも捉えがちなのだけれど、
高雄さん演出のこのエピソードではアイドルマスター以上の真っ向勝負、
全身の細かな仕草や表情、瞳の変化まで繊細に、かつ大胆に描かれていて、
SDサイズなのに映画を観ているかのように圧倒されてしまう。
ここまで表情の繊細な仕草を描写しているのは、魔法使いTai! OVA第5話の伊藤郁子さん以来だと思っている。
 正確にはアイドルマスターの千早や春香、シンデレラガールズの卯月の描写は
高雄さんにとってはこの延長線上にある演出なのだろう。
それと共に、山田さんとのコンビでは観られなかった堀口さんの別の側面、
アニメーターとしての真骨頂を垣間見た、そんな気がする一本。


番外

NEW GAME!!
第6話 「ああ……すごいなぁ……」


脚本 志茂文彦
絵コンテ・演出 山崎みつえ
演出助手 野呂純恵
作画監督 板倉 健 三島千枝 山野雅明 武藤 幹 山崎 淳 斎藤大輔 渡辺 舞 山崎輝彦 吉村 恵 手島行人
総作画監督 木野下澄江 山野雅明

 2期に入ってお仕事もの色が強くなった中でも、とりわけ印象的だった一本。


らき☆すた
第19話


脚本・絵コンテ・演出・作画監督 荒谷朋恵

(本編クレジットより)
原画 堀口悠紀子 荒谷朋恵

 いい意味でしょーもない話は数あれど、それをこのクレジットでやってるのがヤバイ。
荒谷さんカムバック。


俗・さよなら絶望先生
第七話
「百万回言われた猫」


絵コンテ・演出 板村智幸
作画監督 田中 穰

「赤頭巾ちゃん、寝る。気をつけて」
絵コンテ・演出・作画監督 錦織敦史

「津軽通信教育」
演出 高橋正典
絵コンテ・原画・作画監督 サムシング吉松

(本編クレジットより)
エンドカード 湖川友謙

 キングレコード・シャフトのタッグの中でも一番カオスだった回だと思う。





【TVアニメ】 マイベスト監督脚本回 7選

2017-09-09 ベストエピソード


機動戦艦ナデシコ 第23話 『『故郷』と呼べる場所』(1997)


脚本:佐藤竜雄 コンテ:桜井弘明 演出:はばらのぶよし 作画監督:浜崎賢一



ナデシコを降りたクルーたちは食堂、声優などの仕事に戻る。しかしメグミの出演した番組は戦時士気高揚番組と化して...。
クルーたちは成長しているのに、身の回りの環境は、社会は何も変わっていない。もしくは歪んで変化してるように見える。
再出発をテーマにした話数だが、自分たちのいるべき場所はどこなのかを成長や変化と共に描いていて、哀愁を誘う母体回。



フルメタル・パニック? ふもっふ 第5話 『純で不純なグラップラー』『善意のトレスパス』(2003)

脚本:武本康弘 コンテ:まつぞのひろし 演出:荒川真嗣 作画監督:石川健介、米田光良



Aパートはかなめに一目惚れした椿一成の登場。Bパートは椿一成と相良宗介の骨肉の争いをコミカルに描いている。
真面目でバカ正直とも言える椿一成と相良宗介が、勤続25年の用務員を手助けしようと奮闘するが、すべて裏目に出る。
この負の連鎖が非常に面白く、女性キャラがほとんど出てこないのに魅力的で、本当に怖いのは人間だということを知る。



シムーン 第9話 『審問』(2006)

脚本:西村ジュンジ コンテ:藤原良二 演出:神保昌登 作画監督:西岡忍



個人的にはマミーナ担当回の第19話が好きなのだが、物語がやっとここから動き出すという意味で、この第9話を推したい。
コール・テンペストの存続が審議される中、引きこもっていたネヴィリルがようやく動き出す。いわゆる天岩戸開きである。
もう打つ手なし、といった土壇場での鉄のリ・マージョンが今までの鬱屈をかき消すように綺麗な図形を描く。鳥肌脇汗回。



紅 kure-nai 第1話 『極夜』(2008)

脚本・コンテ・演出:松尾衡 作画監督:石井久美



この作品で監督脚本回といえば第6話のミュージカル回、最終第11話と第12話が見どころになる。だがあえての第1話。
九鳳院紫の着替えシーン。ピンクのジャージをうまく着れないところも芝居が細かいし、心理描写もガッツリ味わえる。
松尾監督といえばローゼンやRED GARDENも良い作品ではあるが、やはりこの作品にはいろんなものが凝縮されている。



バカとテストと召喚獣にっ! 第4話 『 僕と本音と男の尊厳っ!』(2011)

脚本:大沼心 コンテ・演出:福多潤 
作画監督:山吉一幸、坂本龍典、竹森由加、高原修司、松浦里美、野田めぐみ 総作画監督:大島美和



大沼作品の中で脚本を担当した回は後にも先にもこの回一つしかない。Aパートはダウト、Bパートは召喚獣試運転の話。
試運転で召喚獣が喋りだす、しかも本音しか喋らないから修羅場の大バーゲンセールが始まる。このやりとりが楽しい。
明久の本音を聞き出そうとする瑞希、つい本音が出て焦る美波や雄二、嫉妬する翔子。人の不幸は蜜の味とはまさにこれ。



ハイキュー!! セカンドシーズン 第3話 『“村人B”』(2015)

脚本・コンテ:満仲勧 演出:仲澤慎太郎 
作画監督:本田真之 アクション作画監督:甲斐泰之 総作画監督:八尋裕子 



谷地ちゃんがマネージャーになる話。まさかこんなスポ根アニメで上質な人間ドラマを見れるとは思いもしなかった。
母親とのやりとりが素晴らしいし、谷地ちゃん役の諸星すみれちゃんが上手すぎて泣けてくる。文字通りのハマり役。
何事もやってみないとわからないというのは理解してるつもりでも、行動に移せるのは身近な人の後押しあってこそ。



NEW GAME!! 第2話 『これじゃあただのコスプレだにゃー!』(2017)

脚本・演出:藤原佳幸 コンテ:しまづあきとし 
作画監督:武藤幹、一ノ瀬結梨、北村晋哉、板倉健、海保仁美、山野雅明 総作画監督:木野下澄江



こんなにお仕事アニメしちゃっていいの?と思った。PC画面に映り込む表情、過去の自分と今の自分、そして立場。
遠山りんの「私の知ってるコウちゃんは、正しい選択ができる人だよ。」というセリフにこの話数が凝縮されている。
昔のコウは周りがどうあろうと自分の信念を曲げなかった。正しい判断は常に自分の中にあって見つけられないだけ。
青葉もたぶんそう、目標ははっきりしていなくても今やるべきことを常に見つけ出せる。やる気とはそういうものだ。




これからとここからのマイエピソード5選

2017-09-09 ベストエピソード


■ writing by あっつさん @riot_bbproject


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 2期 #28 「夜明け前の戦い」

監督:長井龍雪 脚本:鴨志田一  絵コンテ:寺岡巌 演出:うえだしげる
キャラ作画監督:小谷杏子 メカニック作画監督:大張正己


夜明けの地平線団との戦い、彼等は太陽になれたのか。オルフェンズを観てきた中でぶっちぎりなMS戦。主観視点のシーンや大張さんの描くバルバトスが物凄くかっこよかったり、相手MSの盾の凹みだったり、何よりも絵コンテが寺岡さんなので迫力がある。鴨志田脚本は癖になる台詞があったりキャラの掛け合いが面白い。一番その鴨志田節が光った回でもあったと思う。


真ゲッター対ネオゲッターロボ (OVA) #1 「出撃!!ネオゲッターロボ!」

監督:川越淳 脚本:藤田伸三 メカ作画監督:田中良 キャラ作画監督:鈴木藤雄


原作であった武蔵の死を忠実に映像化。冒頭7分ちょっとそこにはロボアニメファンなら必ずは目にして欲しい、台詞も必ずいいとするものがある。合体の美学から破壊の美学。散りゆく最後は何度目にしても"カッコイイ"の一言しか出てこない。叫んで!変形して!また叫ぶ!
操縦官を前に出せば飛び出して変形している!こんなにも男心を擽る物はない。


勇者王ガオガイガーFINAL 最終話 「神話 マイソロジー」

監督・絵コンテ・脚本・演出:米たにヨシトモ キャラ作画監督:木村貴宏 メカ作画監督:仲谷誠一


言うまでない。叫ぶ!吼える!大きく勇気を振りかざす! 仲間の勇気と仲間の命と絆がファイナルフュージョン!TVシリーズから最後までそして最後からがクライマックス。勇気を忘れないで。


バディ・コンプレックス #8 「嵐の夜」

監督:田辺泰裕 脚本:木村暢 絵コンテ:宮浦栗生 演出:ところともかず
キャラクター作画監督:稲吉朝子、越智博之 メカ作画監督:山根理宏


敵と味方が離島で一夜を過ごす。こう言うのが大好きなんだと気付かされた話。
今では有りがちな話、と片付けそうな話でもそれがどの作品か?何て事はすぐに頭には出てこない。でもバディコンプレックスだけはそれだけ印象強く今でもその手の話題が上がれば思い出す。SFとしてもかなりの完成度が高くタイムトラベル物としても凄く面白い。


AIR #1 「かぜ~breeze~」

監督:石原立也 絵コンテ・演出:石原立也 脚本:志茂文彦 作画監督:米田光良


"夏"をこれだけ表現しきれたアニメをそれまで見たことが無かった。陽射しにあたる。影が濃くなる。"何か起こるかも知れない"そんなドキドキとワクワクを目の前の長いようで短い夏休みのあの頃を思い出させる。何気ない動作ひとつとってもコミカルで台詞は特徴的で可愛い。じりじりと暑いアスファルト、涼しさを運び髪を揺らす風。この作品全てが好きなので1話を選定。





ざっくばらんにアニメで好きな話数を10本集めてみた。

2016-09-01 ベストエピソード


元記事:ざっくばらんにアニメで好きな話数を10本集めてみた。 - In Jazz @terry_rice88



1.とある科学の超電磁砲('09~'10)


第16話「学園都市」

脚本:大野木寛/絵コンテ:二瓶勇一/演出:高島大輔/作画監督:小川エリ、冨永詠二、瀬川真矢、沼田誠也

総作画監督:木本茂樹


「電磁砲」シリーズの中じゃ一番好きなエピソード。というより、自分の中では面白く感じられた話数、か。15話の「スキルアウト」と前後編。学園都市の社会規範に外れたいわゆる「無能力者」にまつわる話、だけど7話辺りから続いてた「持たざるもの」と「持っているもの」の対比構造についての、ひとつの解みたいなエピソードでもあるのかな? 美琴たちの先輩、固法美偉(このり・みい)と「ビッグスパイダー」元リーダー、黒妻綿流(くろづま・わたる)との過去と現在がメインのドラマになってて、青春してるなあという感じがいいよなあと。「電磁砲」の登場人物の中でも固法先輩が好きだというのもあるけど、黒妻の男前な性格が話の風通しを良くしてるのが一番強いような気がする。「持つもの」にも苦悩や葛藤があって、それは同様に「持たざるもの」にもあるわけで。おたがいに劣等感を持つのではなく、個性を分かり合って共闘するってのは好きな展開ですね。男女のカップルとして、固法先輩と黒妻のしつこくない人間関係も好きな所ですね。本筋のストーリーではないけど、シリーズ中のサブエピソードとしていい出来だと思います。



2.バスカッシュ!('09)


第1話「アイ・アム・レジェンド」

脚本:佐藤竜雄/絵コンテ:板垣伸/演出:三浦和也/作画監督:渡辺敦子


非常にコメントしづらいというか、全話見てないのに入れていいんだろうかとは思うけど(苦笑)

「夢のある(を感じさせた)初回」としては「輪廻のラグランジェ」級だったと思うんですよ、「バスカッシュ!」って(そういや、どっちも佐藤竜雄さんが絡んだ作品ですね)。というか1話にしては情報量が過密すぎて、整理し切れてないくらいにガチャガチャしてるんですよね。1話完結のOVAというか、最近良くある1時間弱くらいの劇場公開作品みたいな展開を処理してしまっているわけで。そりゃ、正味24分くらいのTVシリーズ1話分に押し込めるとそうなるよなあと。実際、「いい材料(キャラ、舞台設定や声優陣に美術とか)」は揃ってたわけですし、上手くやれば面白くなってたはず、だったんですけどね。現場で何があったかは詳細を知る由もないですが、「ロボットでストリート・アスレチック・バスケ」をやるって設定は面白いと感じた部分。あと吉松孝博さんをはじめとしたキャラクターデザインも凄く好みでした。美術も今見るとロラン・トマさんの持ち込んだと思われるフレンチなストリート感覚溢れるバンド・デシネの雰囲気満載な絵が面白かったりして、なかなか興味深いわけですがそういった「魅力」のどれを一番提示したいのか良くわからない、カオスな状況な中、おそらく一番の肝である「ロボットでストリート・バスケ」が突き抜けていく感覚が面白かったんだと思います。正直、初回ラスト3分で1年が経過する作品なんてのもざらにないと思うわけで、そういった変に突き抜けてるところが嫌いになれないな、と。監督の降板劇があってから、急速に興味を失って見なくなっちゃったんですが、初回は作品の要素がしっちゃかめっちゃかに渦巻いているのが楽しかったのです。



3.デュアル!ぱられルンルン物語('99)


Act.11「REAL」

脚本:小林孝志/絵コンテ:木村真一郎/演出:米田光宏/作画監督:小原充、伊藤良明


95年に「新世紀エヴァンゲリオン」が放送されて以後、雨後の竹というほどじゃないけど影響を受けた作品がいくつか世に送り出された訳ですが、これもその一つ。「天地無用!」シリーズの梶島正樹さんがエヴァっぽいのをやるとこうなる、という物語の入りから「いつも」の梶島作品的SF展開になっていくのはご愛嬌。作品の成立とかを調べる限り、元々2クール予定だったのが1クールに圧縮された作品らしく、残念ながら後半の展開は結構性急な感じが作品の完成度としては少し落としてるシリーズなんだけど、それ以上にラブコメ指数は梶島作品でも随一なんですよ、これ…! 選んだ話数は主人公、四加一樹とヒロイン、真田三月が戦いの最中、「元の世界」へ吹き飛ばされて図らずも帰ってくる回。一樹にとってはどちらが自分の「リアル(現実)」なのかという対立が話の主軸なんですが、そんなのはもはやどうでも良くて、ライバルがいなくなった真田三月が一樹との距離感を一気に縮めてくるところが非常に素晴らしいんだ。もうラブコメとしての距離感が絶妙すぎて、大して甘くないのに凄く甘いのがまたいい…!「世界よ、これがツンデレだ」ってなる感じですよ、ええ。物語的にもそういった三月の一樹に対する感情が最終展開に絡んでいくわけなんですが、話と描写の積み重ねがあって初めて成立する関係性を作っているのは巧みだなあと思うわけです。もう1クールあったら、どうなっていたんだろうという想像は尽きない。と、同時にこの作品でデビュー&初メインキャラを演じた田中理恵さんの実力の高さが伺える1話なのも注目したい所。あと新房監督の関わる以前のシャフトの仕事という点でも興味深いかも?(各話グロスで参加してる)



4.機動警察パトレイバー アーリーデイズ('88~'89)


第2話「ロングショット」

脚本:伊藤和典/絵コンテ:押井守/演出:中村隆太郎/作画監督:北崎正浩


香貫花・クランシー初登場&爆弾処理回。中村隆太郎さんの密度の濃い画面が好きですねえ。作画もゆうき先生のデザインとずいぶん異なる感じだけど、独特なつり目気味の野明が結構好きですね、この回の出番は少ないけど。香貫花は漫画版だとレギュラーキャラじゃないので、視聴する以前はそこまで気になるキャラでもなかったし、熊耳さんとキャラが被ってないかと思ってたわけなんですが。故・井上遥さんの演技がいいのと帰国子女という設定を最大限生かした、アメリカンな雰囲気が見事好みに合致したというのがでっかいですね。OVAの展開やTVシリーズでさらにキャラの魅力が固められていくわけですが、ファースト・インパクトとしてのこの回を選出。もちろん画面の作りがいいというのもありますが、パトレイバーにおけるこういった軽妙なノリが自分の嗜好するドラマのラインとしてあるなとも。一話で綺麗にまとまってるのもポイント高い。反面、押井監督の色が前面に出たドラマってさほどでもないんですよね。押井監督の作るバカ話は好きなんですけども。



5.ダッシュ!四駆郎('89~'90)


第3話「恐怖のピラミッド」

脚本:高山鬼一/絵コンテ:則座誠/演出:木下ゆうき/作画監督:西川貴博


ミニ四駆というと自分は「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」より「ダッシュ!四駆郎」世代なんですが、その「四駆郎」のエピソードでも深く印象に残っているのがこれ。というか内容をさっくり言えば、輪子回です。予選第二回戦の対ヘルス・キッズとの第二戦でピラミッドの中をレースすることになるダッシュ軍団。パンクローと出場した輪子が相手に女の子がミニ四駆レースに出るなんておかしい、と罵倒され、弱さも垣間見せるも相手側の主将にして好敵手の大道(だいどう)に「ミニ四駆をやるのに男も女も関係あるか」と言われ、自分を取り戻し、善戦する回。大道は小錦というかアブドラ・ザ・ブッチャーというかそういう感じの巨漢キャラなんだけど、いい奴なんだよねえ。正々堂々と言うか「戦い」には筋を通すキャラで、好感を持てるライバルキャラとして完成度が高い。そこら辺のドラマ立てが非常に上手いのが「四駆郎」の魅力でもあるんだけど、アニメ版はそれ以上に輪子の可愛さが前面に出てて、すごく好きだったんですよねえ。輪子の使うマシーン、ダンシング・ドールを買ってもらったのもそういうのがあったからだと、今書いててハタと思った次第。あと佐久間レイさんの声もいいよなあと。当時の刷り込みとして、折笠愛さん、冬馬由美さん、佐久間レイさん辺りの声をいいなあと思って聞いてた記憶も甦ってきたりで、そういった点でも業の深さを感じざるを得ない。



6.神魂合体ゴーダンナー!!('03~'04)


第20話「桃花哀歌」

脚本:川崎ヒロユキ/絵コンテ:吉田英俊/演出:元永慶太郎/作画監督:平山円、西井正典(メカ)


主人公猿渡ゴオの旧知の仲である、中国はダイナベースのパイロット、モウカクとシュクユウにまつわる愛の物語と悲劇。シリーズ構成に非常に難のあるシリーズで全体的な評価が厳しくなってしまう作品だけど、この1話の完成度はシリーズ中でも図抜けていると思う。個人的にはシリーズベストにあげたい1話でもある。それぐらいに纏まっているのが選出の理由。やってることは結構シンプルなんですよね。愛を成就させたカップルに起こる悲劇という展開のコントラストが非常に上手くて、登場人物の幸せさとその先に待つ非情な展開の切なさを24分の中でドラマチックに描いている。獣みたいな男と容姿端麗な美女の関係、言ってみれば「美女と野獣」のような男女関係を説得力のある描きで繰り出されると、自分としては嫌いになれないなあと思うわけで。この回もそういうのが前面に出てて、好きですね。今となっては、ある特定の役しか演じなくなった声優さんの演技が聞ける作品としても意義深いのではなかろうかと。モウカク役の小杉十郎太に対する、山崎和佳奈さん演ずるシュクユウがまた良くてですね…。ドラマもあいまって、声優さんの演技が映える回としてもいい名と思います。



7.ふしぎの海のナディア('90~'91)


第13話「走れ!マリー」

脚本:大川久男/絵コンテ:摩砂雪/演出:もりたけし/作画監督:柳田義明


ナディアの中でも人気の高いと思われる話数。オチの急転下するシリアスさはともかくとして、エピソード全体に流れるテンポのよさと軽妙さが爽やかな一本でしょうね。自分はエヴァよりかはナディアの方が面白く見れたという印象があって、そこの差は何かと考えると冒険活劇な部分が大きいような気がします。エヴァの内面を抉るような描写と切羽詰った閉塞感みたいなものは自分の好みからは大きく外れるもので、物語としては理解できるし興味深くはあるけど好きにはなれなかったというのが強くあります(その辺りは新劇になってもあまり変わりがない)。一方、ナディアは今見るとユルい部分も少なからずあるわけですが、それでもドキドキワクワクする所があって、そこで見れてたのかなあと思います。ただリアルタイムで見てなくて、再放送で見たはず。それも全編通して見たわけじゃなくて、見逃した話数もありつつも最後まで見た作品でもあるので所々抜けがあるのも否めないところ。選んだ話数は一話単体で見ても、絵的に楽しめる話数かと。マリーとサンソンがガーゴイルのメカに追い掛け回される所のコミカルな感じとかが、前後の話を知らなくても楽しめる、当時のTVアニメらしい感じではないかと。一人、マリーが島を探検する時の叙情的な感覚も雰囲気出てるし、このくらいライトなノリが今あってもいいよなあとか思う一本ですね。なかなか難しいと思いますが。あと絵コンテの摩砂雪さん、正面のカメラアングルでキャラが逃げ惑いながら、後ろから敵が攻撃しかけてくるのをよけていく構図が好きなんだなあと。この後、紹介する作品にも出てくることからもちょっと面白い。



8.帝都物語('91)


第4部「菩薩篇」(総監督:りんたろう)

監督:池田成/脚本:遠藤明範、摩砂雪、りんたろう/絵コンテ:摩砂雪、りんたろう/作画監督:アオタカズマ(摩砂雪)


ガイナックス作品じゃないけど、スタッフ的に「ポスト・ナディア/プレ・エヴァンゲリオン」なOVA作品の最終話。辰宮(目方)恵子と加藤保憲の決戦がメインで当時のOVAらしく作画は恐ろしくハイクオリティというか、手書き作画の脂ぎった密度の高さを感じさせるアニメーションだなあと。見たのは割りと最近だけど、その内容の濃さに舌を巻いた。当時はバブルの繁栄の陰に魑魅魍魎が蠢くといった内容のオカルト的な作品がマンガ・アニメに限らず、数多く送り出された時期ではあるけど、この「帝都物語」もそんな伝奇ブームの一翼を担った作品ではあると思う。反面、そういった伝奇的な物語を廃して、作品を眺めて見ると加藤保憲が自分の恨みや怨念を和らげるような存在を捜し求めていた、ようにも見える作品でもあり、また辰宮家の歪んだ家族像が一番、人の魍魎めいた欲望を描き出しているようにも見える作品である。そういった人間の像を炙り出しているこのOVAがエヴァにも繋がっているようにも感じられるのは、たぶん歴史的な観点で見ているからだろう。加藤保憲は実写版と同じく嶋田久作が演じているんだけど、その独特な声色は今なお類を見ない響きに思える。なんかこう、存在感がある声というか。個人的には摩砂雪さんの画が前面に押し出されていて、それだけでも全話楽しい感じ。見所は多々あるけど、恵子と加藤保憲の対峙するクライマックスシーンは必見。



9.Re:キューティーハニー('04)


第3話「人」の巻(総監督:庵野秀明)

監督:摩砂雪/脚本:中島かずき、滝晃一/演出:摩砂雪、庵野秀明

作画監督:夷倭世(摩砂雪)、平松禎史(特別作画監督)


えー。正直に白状しますとガイナックス作品で一番好きなのがこの「Re:キューティーハニー」かなと思ってます。さっきから摩砂雪さんの関わった話数を取り上げてますが、割と意図してというか。この話数も最終話がどシリアスなんだけど、監督(と作監)を務めた摩砂雪さんの画が濃い濃い。DVDブックレットのインタビュー記事には出来に満足が入ってないという愚痴めいた発言が見えるけど、いったいどんな画が見えていて、どこまで高いハードルを設定しているんだろうと思わざるを得ない感じ。発言を眺めていると、拘りの強い人なのかなあとも思わなくはないんですが。そういった強い拘りを持つ人の作品って、自分にとっては好物のようで、「化物語」のファースト・シーズンや「傷物語」を手がけている尾石達也さんが好きなのも、常人には思いつかない拘りというか執念を感じさせて、画面に叩きつけているのが好きなのだろうなあと思うわけです。「Re:キューティーハニー」の最終話もその強い拘りを感じさせる所が端々に画面に伝わってきて、好きだなあと思うのですよね。情念というか。この話数だけ見ていると非常に百合な感じでもあるんですが、2話での東映サイド(監督はプリキュアの演出や「オーバーロード」で有名な伊藤尚住さん)のごくごくストレートな描写に比べて、背徳感というか陰りのある雰囲気がまた堪らない訳で、その辺りも魅力的というか。あと今の時点ならここを起点に「シン・ゴジラ」へ繋げてみても面白いかも。庵野監督にとっては最初の「リブート作品」ですし。また後に「天元突破グレンラガン」で脚光を浴びる中島かずきさんがアニメに初めて関わったのもこの作品で、さらには今石洋之さんとタッグを組んだのもこれがきっかけという点からも意義深い作品かと。個人的にこの作品だけで十分ですが。



10.カイバ('08)


第3話「クロニコのながぐつ」

脚本:湯浅政明、横山彰利/絵コンテ・演出:横山彰利/作画監督:伊東伸高


最後の一本だけ、ブログ記事であげた作品から。いや、このエピソード、いろいろと凶悪すぎて。見るたびに心を「持ってかれる」一本なので……。こういった話数単位の企画なら選ばない手はないという位に完成度の高い一本だと思うのですよね。シリーズ的にはこれも構成に難があって、手放しには褒められないんだけど、話は面白いですよ? 記憶と(記憶を抜いた)肉体が売り買いできる世界で繰り広げられる寓話的な物語で、物語の肝である「記憶の喪失による弊害と取り戻した時に引き起こされる悲劇」が一番良く表現された一本じゃないかなあと。クロニコという女の子のながくつがそんなキーアイテムでもあり、クロニコ地震の肉体も重要なアイテムとなっている。手塚治虫タッチというか60年代のアニメのようなキャラクターデザインで、アイロニカルなドラマをやってしまう豪腕っぷりも凄いんだけど、「人間の記憶」と「肉体性」が乖離した世界という複雑な設定でそれを成立させてしまうのは天才の仕事としか。主人公カイバが逃避行を始めて、最初に降り立った惑星でのある家族の情景がクライマックスでフラッシュバックされる構成でそこに象徴的に描かれるシャボン玉のイメージとか、押し迫ってくるピアノの旋律が一話の中で積み上げられたイメージによって、解放されるカタルシスは非情に物哀しいものになっているんですよね。作品のトーンもそういった「孤独感」を押し出したトーンに支配されていて、視聴の際はHPをかなり消費するので注意が必要。しかしだからこそ「繋がる事の愛おしさ」を描いてもいるので、テーマ的には凄く好きな作品です。あとこのデザインなのに凄くセクシーなイメージを与える伊東伸高さんもとんでもないよ!シリーズの中で一本挙げろとなれば問答無用でこの話数を推します。というか、この話数だけでも見てください。




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