物理的領域の因果的閉包性


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忘れられないエピソード10本

2017-09-30 ベストエピソード


writing by びっぐべんさん @bigbenbigben


1.
ストライクウィッチーズ2
第6話 「空より高く」


脚本・絵コンテ・演出 佐伯昭志
キャラ作画監督 小島智加 阿蒜晃士 服部憲知
キャラ総作画監督 倉嶋丈康
メカ総作画監督 寺尾洋之

 Bパートでいつも泣いてしまう。泣きたいときに観るもこともある一本。
シーンだけ抜き出すと軍における政治を感じさせるシーンやギャグシーンにサービスシーンまであるが、
全体で観ると触れるだけで割れてしまいそうな繊細さに彩られており、胸が締め付けられそうになる。
 佐伯昭志さんは1期から続けて参加していてシリーズ全体を特にシリアスさの面から引き締めるエピソードを担当しており、
1期の6話は脚本・絵コンテとしてサーニャの回を担当している。
そちらもサーニャの過去に宮藤の父親に対する想いの掘り下げも絡めた良い話だけれど、本エピソードは特にエイラに重きを置いている。
 1期6話では逆のようにみえるエイラとサーニャの力関係が、
実はサーニャの方が先を歩いてエイラは支えたり追いかける立場にいるというのが分かる。
2人だけだと完結してしまう関係が、宮藤やペリーヌ、エーリカといった異物によってその力関係が
あらわになるのも面白い。そしてそれは、二人にとって501部隊が「帰るべき場所」である理由にもなっている。
 エイラとサーニャのキャラソン『Sweet Duet』をわざわざ新規アレンジにして尺を調整した上で使うなど
佐伯昭志さん自身も二人の関係性に相当思い入れがあるように感じられたが、
その後に佐伯昭志さんが監督した『放課後のプレアデス』のすばるとみなとの関係はこの発展型なのだろう。


2.
無限のリヴァイアス
Sere21 「あしたなんかいらない」


画コンテ・演出 杉島邦久
作画監督 西田亜沙子

 『無限のリヴァイアス』は今のアニメ視聴スタイルになる前に観た作品の中で最も心に突き刺さった作品だった。
自分でビデオをレンタルした初めての作品だったように思う。その中で一つ忘れられないエピソードを上げるとしたらこの話数。
 それまでアニメや映画、TVドラマなど媒体問わず映像作品に触れることなく、どちらかと言えば小説を読むことの方が多かった当時。
当然キスシーンも文章上のものとなるわけだが、そういったシーンにここまで哀しさを覚えることがなかったので衝撃を受けたことを今でも昨日のように思い出す。
 あおいに「これは現実なんだ」と伝える昴治が、自分の言葉を引き金にそのあまりの哀しさ、やりきれなさに涙を流してしまう。
二人のなかで哀しみが反響しあう中、互いの哀しみをかばい合うように身体を重ねる。
冷たい部屋の中、元々意識しあっていた二人が、心に抱えた痛みを慰めあうように結ばれたやるせなさに、
一視聴者である自分もどうしようも無く哀しくなってしまい、涙を流しながら視聴していた。


3.
魔法少女まどか☆マギカ
第10話 「もう誰にも頼らない」


脚本 虚淵玄
絵コンテ 笹木信作
演出  八瀬祐樹
作画監督 伊藤良明、潮月一也

 ニコニコの最速配信の後配信されたこの話数は、しばらく放送休止になったことと就活がストップしたことが重なり、
一週間近くひたすらループして観続けていた。そういうプライベートな事情も相まって自分の中で大きな部分を占めるようになったエピソード。
 今観直すと、斎藤千和さんのほむらは言わずもがな、悠木碧さんのまどかの演技がとても良い。
リスペクトしてる沢城みゆきさんのブレス音の混ぜ方をより進化して、自然さと深夜アニメ的可愛らしさがうまく両立されてる。
 作画の面でいうと、ひだまりスケッチシリーズでずっと蒼樹うめ先生の絵柄の変遷に合わせ
キャラクターデザインを続けていた伊藤良明さんが、ここにきて作監担当だったのは
ラインプロデューサーだった岩城忠雄さんの思いもあるのだろうか。
GoHandsスタッフまでいたことにも驚いた。個人的に好きな今村亮さんのパートもあったのも嬉しい。
 9話、10話あたりは特にそうだけど、悲劇の話だからこそ、画はより美しい。
それは『The Soul Taker』以来の新房昭之監督の美学だよな、と思う。


4.
響け♪ ユーフォニアム Sound! Euhonium
第十二回 「わたしのユーフォニアム」


脚本 花田十輝
絵コンテ 演出 三好一郎
作画監督 丸木宣明
作監補佐 岡村公平
楽器作監 高橋博行

 全体的に熱いこの作品の中で、とりわけ一カット一カットの熱量が高い回。
「あなたのできますという言葉を、私は忘れていませんよ」脚本の花田十輝さんをして
印象に残ったシーンだという三好一郎さんのオリジナルの台詞が心に残る。
部活動への取り組み方について色々言われている昨今だが、普段厳しい先生からこんなこと言われちゃったら頑張らずにいられないではないか。
 実のところ、いくら滝先生が優秀とはいえ一年目でここまでは言えないのではないか、
これは滝先生というより三好さんから社内の後輩たちに対する言葉なのではと思ったりもしていて、
京都アニメーションがこの10年どんどん人材を輩出してもなおクオリティが向上する理由が何となく、分かる気もするのである。


5.
ピンポン THE ANIMATION
第11話 「血は鉄の味がする」


絵コンテ・演出 湯浅政明
作画監督 : 伊東伸高 浅野直之 戸田さやか 西垣庄子
Special Thanks 松本大洋

 どちらかと言うと10話の方をよく観返していたのだけれど、
今回の企画のために観直していたらこちらを推したくなってしまった。
 BD-BOXのブックレットにあった湯浅監督の「ヒーローを待っていたのは松本先生なのではないか」
というのが忘れられない。もちろん、湯浅監督もその一人なのだろうし、
その延長線上に『夜明け告げるルーのうた』があるというのも感慨深い。
 「卓球をアニメーションで表現するのは最終話でようやく出来た」というのもブックレットにあったが、
それまでのエピソードと見比べると星野vs月本戦はカット割りでなくアニメーションとしてスピード感を出してるのがよく分かる。


6.
ソードアート・オンライン
#15 「帰還」


脚本 中本宗応(セブンデイズウォー)
絵コンテ 松本正二
演出 池田重隆
作画監督 渡辺るり子
(以下本編クレジットより)
総作画監督 足立慎吾
作画監督 渡辺るり子 斎藤敦史
アクション作画監督 柳 隆太

 ソードアート・オンラインの話をするときはいつも1期2クール目が出色なんだと切り出している。
タイトルであるSAO自体は1クール目でクリアしてしまうのに、その後の物語となる2クール目によって、
SAOによって変わってしまった現実世界での関係性や価値観が浮き彫りになる構成がうまくハマっているからだ。
 この構成を成立させている一つには盤石なコンテスタッフ体制もあると考えていて、
特に2クール目は21話のタムラコータローさん、22話に長井龍雪さん、23話に荒木哲郎さん、
24話に高橋亨さん、最終話は監督コンテ演出と非常に豪華なリレーとなっていたりするが、
その最初の話数であるこちらはハードルが高い中、非常にインパクトあるエピソードとなっている。
 「映像で匂いや味、感触といった伝わらない感覚を伝える作品は凄い」というのは自分の先輩の言葉だけれど、
アスナの病室におけるキリトと須郷のやり取りでそれを思い出していた。
 脱線してしまうが、dアニメストアの配信でクレジットが変わっているんだけど、大丈夫なのだろうか。


7.
血界戦線
#11 「Paint It Black」


脚本 古家和尚
絵コンテ 伊藤智彦 松本理恵
演出 阿部雅司
総作画監督 杉浦幸次
作画監督 村井孝司 長谷部敦志 森島範子 諸石康太
エフェクト作画監督 橋本敬史

 血界戦線というと5話か最終話を挙げる人が多いと思うのだけど、自分はあえてこちらを選択したい。
なぜなら、このエピソードほど一人の声優にTVシリーズの全てが託された話数を自分が知らないからだ。
 この話数はアニメオリジナルキャラクターかつヒロインであるホワイトの過去の話であり、
必然的にアニメオリジナルストーリーである。ホワイトの双子の兄であるブラックとの幼少時代、
成長後の二人に起きた悲劇、そして現在ブラックの身体を支配している、TVシリーズとしての敵役である絶望王。
最終話前のシリーズをクライマックスに導く話数でヒロインラスボス含む実質5人を、釘宮理恵さんは一人で演じている。
 多くのインタビューで述べられているように、血界戦線は松本理恵監督をプッシュする形でスクラムを組まれており、
スタッフ及びキャストも出来る限り松本監督の希望に沿って編成されていった。ホワイトのCVを担当した
釘宮理恵さんも、松本監督の希望だと考えてよいだろう。実績もそれこそ少年役、ヒロイン役、ラスボス役全てに実績があるし、
松本監督の前作である『京騒戯画』でもヒロインであるコトを演じており監督も全幅の信頼を置いているはずだ。
 しかし、それを最終話前というシリーズ全体をまとめ上げる一つの話数で、全員を演じてきっている所が凄い。
本編を観ているときには全く意識せず、最後のクレジットで気づき、
あらためて釘宮理恵さんという声優の凄みと、その実力を信じた松本理恵監督の覚悟を感じたのである。


8.
R.O.D. THE TV
第1話 「紙は舞い降りた」


絵コンテ 舛成孝二
演出 作画監督 石浜真史

 J.C.STAFFがまだ今のように大量に各話に総作画監督や作画監督を付ける物量作戦でいく前、
OVA的作り方をして後半疲弊する、という感じだった最後の頃の作品。90年代スタジオディーンの
アクションアニメの系譜にあるOVA版に対し、こちらはゲーム業界に流れて若手がいないという話が
インタビューの話題によく出ていた中、後の00年代以降を支えるアニメーターが多く参加した作品だった。
 紙使いという物量も半端ないけど自由度もその分凄くなる設定でアクションもエフェクトも存分に楽しめる上、
『かみちゅ!』にも繋がる日常芝居も堪能できる非常に面白いアニメでもある。
何気にディーンで使っていたという理由でJCなのに撮影ソフトにAnimoを使ってるなど、
舛成孝二監督の徹底したこだわりも感じられる。
 自分が初めて自発的にコマ送りをした作品であり、スタッフクレジットを全部書きだした作品でもある。
コマ送りしたのはBパート、飛行機内に突入してテロリストをやっつけるアニタのくだり。
ここは間違いなく細田直人パートだと思って作画wikiにも書いたりしてたのだが何度か別の人に直されてたりした。
BD-BOXのコメンタリーだかでパート確定したみたいで一安心。


9.
THE IDOLM@STER アイドルマスター
第20話 「約束」


脚本 土屋理敬
絵コンテ 高雄統子
演出 原田孝宏
作画監督 松尾祐輔

 横山彰利さんがコンテだった律子回の第18話「たくさんの、いっぱい」と迷うけど、
『Steins;Gate』と並び2011年に躍進した今井麻美さんを代表するエピソードのこちらを選択。
これまで積み重ねてきた千早の伏線を解消する回であり、23話以降の春香の伏線も張られる回でもある。
春香役の中村繪里子さんの演技も素晴らしい。
 春香が千早のマンションに行くシーンは一回目、二回目共に影の使い方やカメラの置き方に凝ったうえで、
キャラクターの各パーツが非常に整理されて洗練された画作りになっていてこれだけでも圧倒される。
エンディングのシーンも本当に良い。自分はサトラジリスナーだったので、エンディングのクレジットでも泣きそうになった。


10.
CLANNAD もうひとつの世界 智代編

絵コンテ・演出 高雄統子
作画監督 堀口悠紀子

 先に挙げた高雄さんについて、代表作というと実はこちらだと思っている。
そして、個人的には「けいおん!」よりも「たまこラブストーリー」よりも、こちらが堀口悠紀子さんの最高傑作だとも思っている。
 アニメスタイルのインタビューでも語られていたが、よくペアを組んでいて印象が強い山田尚子さんの演出スタイルは
登場人物が感情を見せる場面で表情ではなく手や脚元を見せる描写が多い。
そういう描写に慣れてしまうと堀口悠紀子さんのスタイルであるようにも捉えがちなのだけれど、
高雄さん演出のこのエピソードではアイドルマスター以上の真っ向勝負、
全身の細かな仕草や表情、瞳の変化まで繊細に、かつ大胆に描かれていて、
SDサイズなのに映画を観ているかのように圧倒されてしまう。
ここまで表情の繊細な仕草を描写しているのは、魔法使いTai! OVA第5話の伊藤郁子さん以来だと思っている。
 正確にはアイドルマスターの千早や春香、シンデレラガールズの卯月の描写は
高雄さんにとってはこの延長線上にある演出なのだろう。
それと共に、山田さんとのコンビでは観られなかった堀口さんの別の側面、
アニメーターとしての真骨頂を垣間見た、そんな気がする一本。


番外

NEW GAME!!
第6話 「ああ……すごいなぁ……」


脚本 志茂文彦
絵コンテ・演出 山崎みつえ
演出助手 野呂純恵
作画監督 板倉 健 三島千枝 山野雅明 武藤 幹 山崎 淳 斎藤大輔 渡辺 舞 山崎輝彦 吉村 恵 手島行人
総作画監督 木野下澄江 山野雅明

 2期に入ってお仕事もの色が強くなった中でも、とりわけ印象的だった一本。


らき☆すた
第19話


脚本・絵コンテ・演出・作画監督 荒谷朋恵

(本編クレジットより)
原画 堀口悠紀子 荒谷朋恵

 いい意味でしょーもない話は数あれど、それをこのクレジットでやってるのがヤバイ。
荒谷さんカムバック。


俗・さよなら絶望先生
第七話
「百万回言われた猫」


絵コンテ・演出 板村智幸
作画監督 田中 穰

「赤頭巾ちゃん、寝る。気をつけて」
絵コンテ・演出・作画監督 錦織敦史

「津軽通信教育」
演出 高橋正典
絵コンテ・原画・作画監督 サムシング吉松

(本編クレジットより)
エンドカード 湖川友謙

 キングレコード・シャフトのタッグの中でも一番カオスだった回だと思う。



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【2017夏】 個人的に表彰したい2017夏アワード

2017-09-30 2017


【ベストキャラ賞】

・ 紫村果音(アクションヒロイン チアフルーツ)



「れでぃ×ばと!」のセルニア=伊織=フレイムハート、最近では「武装少女マキャヴェリズム」の亀鶴城メアリなど
金髪縦ロールキャラは割と好きなんですよね。その中でもこのムラムラちゃんは高飛車なツンデレ具合がとても良かった。
精神的な柱としてキャラが立ってたし、悪役としての一貫性もあった。何より紫がよく似合う。首に縄つけて散歩したい。




【ベストセリフ賞】

・ ちせ『私は好きだからやれている。だが、お主はそうではなさそうだ。』(プリンセス・プリンシパルTV版第8話)



この2人の会話シーンがとても好きなんですが、プリンセスが剣を振り下ろすような仕草をするところ。会話の間合い。
武器を持っていないのに剣を交えているような感覚のあるやりとり。このあとに放送されたTV版第9話でプリンセスが、
『やるからには絶対勝たなくてはなりません』と言う場面がありましたが、率直な意見を言える相手であるということ。
またTV版第7話の洗濯工場回でプリンセスの財産について言及する場面があったように、客観的意見を言える相手である。
アンジェやベアトが言えない部分をちせが斬り込んでいくことで白鳩の関係性に幅ができて深みが増したように思えます。




【ベスト新人声優賞】

・ 石見舞菜香(ゲーマーズ!星ノ守千秋)



「中二病でも恋がしたい」の凸守早苗、「戦姫絶唱シンフォギア」の暁切歌など、似たような語尾のキャラはいましたが、
引っ込み思案のキャラでは珍しいんじゃないんでしょうか。新人らしいフレッシュさ、初々しさ、どちらも兼ね備えている。
雨野景太と付き合えばいいカップルになれるはずなのに、天道花憐と付き合い始めてから好きということに気付いてしまう。
不憫というか健気というか、妹も含めて俺がお兄ちゃんになってあげたい。A&Gのラジオも決まってこれから大躍進ですね。




【ベストニコ生賞】

・ 『サクラクエスト』間野山観光協会作戦報告会議 第9回



チュパ様ゲームという王様ゲームみたいなコーナーで、王様のあやサマー(七瀬彩夏)がほっぺにチューを指示する。
さすがにそれはマズイだろうということで、手の甲にチューをすることに。キスをされる側のうえしゃま(上田麗奈)が、
恥ずかしがりながら「手で、手でいいんですか?」とちかぺ(安済知佳)に問う。そして顔が真っ赤になるうえしゃま。
「中二病でも恋がしたい」のニコ生で赤﨑千夏ことちー様のほっぺにチューをするすみぺというのが以前ありましたが、
それよりも恥じらいがあってエロかった。うえしゃまはガチでそっち系なのかと思ってしまった。ありがとうございます。




【ベストラジオ賞】

・ プリプリ♡秘密レポート 第5回(ゲスト:古木のぞみ)



古木さんの相手をしてたら尺が足りなくなる現象。記憶に新しいところだと「はいふりラジオ」第3回がクレイジーだった。
このプリプリラジオ第5回はそれを察していつもよりパーソナリティ2人のテンションが異常に高く早口になる場面が多い。
それでも古木さんは気にしない。いやむしろ輪をかけてテンションが高い。マウスの芸人魂はこの人無しでは語れない。
パーソナリティ2人のツッコミもさることながら、どんなツッコミにも折れない心がここにある。痛いの痛いのとんでけー。




【ベスト声優話題賞】

・ 種田梨沙さんの仕事復帰

これに尽きる。





プリンセス・プリンシパルのここがすごい!

2017-09-27 2017


プリンセス・プリンシパル 第1話『case13 Wired Liar』でアンジェがエリックを撃つときに言った「いいえ」
それ以降「いいえ」というセリフが出てくると身が引き締まる思いなのですが、このセリフは何度使われたのか?
第2話以降で「いいえ」が使われたのは第8話『case20 Ripper Dipper』と最終第12話『case24 Fall of the Wall』
この2つの話数しかありませんでした。ではどういうシーンで使われたのか、おさらいをしてみたいと思います。




まず第8話。親方を外に投げつけジュリに孤児院の紹介状を渡したあと、親切にする理由を聞かれて答えるアンジェ。
そしてジュリの「失敗しちゃったけど... 」というセリフに対しての「いいえ」。心配しなくても大丈夫といった感じ。
また、ジュリから話の続きをお願いされて王女様と離れ離れになった経緯を話すアンジェ。その話を聞いたジュリは
「可哀想な王女様... 」と悲しげに言う。それに対して感情を抑え気味に少し儚げな印象のあるアンジェの「いいえ」。




そしてピアノ演奏後にオライリー卿と会話するプリンセス。「自首を勧めていらっしゃるのですか、プリンセス... 」
オライリー卿の問いかけに優しく、どこか冷淡で少し芯のある口調で答えるプリンセスの「いいえ」。8話には3ヶ所。




次は第12話。新王室寺院の部屋に通され、差し出されたスコーンを皆で一緒に食べようと提案するプリンセス。
「高々4、5人の空腹を満たしたところで... 」とゼルダが言い切る前に制止するように言ったプリンスの「いいえ」。

第2話から第12話の間で使用された「いいえ」はたったの4回。しかもアンジェとプリンセスだけしか言っていない。
キャラの雰囲気や立場的な関係はあったとしても実際の印象より少ない。また第1話はラスト以外にも使われていて、
西側に向かう途中でドロシーの車と行き先を変更したときにエリックが言った「エイミーを迎えに行ったのか?」
それに対する冷酷で無感情なアンジェの「いいえ」。全話数を通しても6つのシーンにしか使わていませんでした。

第1話でインパクトの強い「いいえ」を印象付けておいて、大事なところでしか使われない「いいえ」というセリフ。
これだけでも時系列をシャッフルした意義はあったと思うし、アンジェとプリンセスしか使わないところも効果的。
しかも言った相手を否定するためだけではなく、嘘をついた自分に対する後ろめたさも感じさせる素晴らしい3文字。
嘘という言葉も効果的に使われていましたが、この「いいえ」も注目してほしいセリフ。全話通して楽しんでほしい。





空飛ぶクジラの話

2017-09-26 その他


プリンセス・プリンシパル第8話。
お話を聞きたいというジュリの問いかけにアンジェが答えた『空飛ぶクジラの話はどう?』というセリフ。
19世紀イギリスにそのような逸話があったかどうかわかりませんが、空飛ぶクジラはアニメによく登場します。




2012年に放送されたテレビアニメ『夏色キセキ』の第5話。サブタイトルは「夏風邪とクジラ」。
風邪をひいた環凛子(cv.豊崎愛生)は宙を舞うクジラを見る。この幼少期からの現象が4人の過去へとつながり、
仲良くなるきっかけの話になって、そしてお互いの絆を再認識するファンタジー感が強めの話数になっています。

2016年放送のテレビアニメ『ふらいんぐうぃっち』の第11話「くじら、空をとぶ」にもクジラが登場します。
雲に擬態して世界中を旅するクジラ。そのクジラが近くに来ていることを知った木幡真琴たち3人はクジラに乗り、
なぜ空を飛んでいるのか、その歴史にふれながら、そこで再会した椎名杏子と倉本家でホットケーキを食べる。
椎名杏子の担当回ですが、魔法のある日常と空飛ぶクジラ、この2つが織りなす世界観がとても素敵な回でした。


この空飛ぶクジラのモチーフはどこからきているのか、結論から言うとはっきりしたことはわかりませんでした。
1972年に発売された大瀧詠一の2ndシングル「空飛ぶくじら」。夏色キセキのキャラソンでカバーしてる曲です。
歌詞で使われているものとしてはいちばん古いと思われます。また「ぐりとぐら」の作家で有名な中川李枝子さん。
この中川李枝子さんが小学一年生の国語の教科書用に書き下ろした「くじらぐも」は1971年に執筆されています。
体育の時間に子供たちと先生が体操をしていると空に大きなクジラが現れ、風に飛ばされた子供たちと先生は、
クジラの背中に乗る。そして一緒に空を巡ったあと、授業が終わる時間になると子供たちを降ろし、帰っていく。
この「くじらぐも」の話はふらいんぐうぃっち第11話と共通点が多く興味深い。ではなぜクジラが空を飛ぶのか?




ここからは個人的な想像になりますが、LZ 127通称:グラーフ・ツェッペリンという世界一周に成功した飛行船。
当時世界最大の巨大飛行船だったこともあり人気でしたが、経費を稼ぐために渡航者や手紙を運んでいたらしい。
時代は20世紀初頭、もちろん渡航するのは限られた人だけ、一般の人々にとっては憧れの存在だったことでしょう。
つまりクジラはこの飛行船を模したものであり、人々の夢や希望を乗せて世界を旅する。そんな想いがあるのかも。
またクジラにしたほうがアニメとして見栄えするというのも原因としてあると思います。クジラに乗って旅したい。


参考記事:空舞うクジラ・飛行船 初めて世界一周に成功したのは独のグラーフ・ツェッペリン号だった - BUSHOO!JAPAN




プリンセス・プリンシパル 第12話 『case24 Fall of the Wall』

2017-09-25 2017


脚本:檜垣亮 コンテ:内藤明吾 演出:橘正紀 
作画監督:小島えり、田中克憲、逵村六、実原登、大高雄太、王國年、秋谷有紀恵、飯田剛士



『My turtledove, Run and live as Ange!』を訳すと、私の白鳩、逃げて。そしてアンジェとして生きて。
となります。【turtledove】はキジバトやヤマバトを指しますが、白鳩のことを言ってると解釈したほうが良さそう。
また【turtledove】には恋人や仲の良い夫婦という意味もあるので私の「愛しい人」と訳したほうが適切でしょうね。
愛しい人を英語で表現する場合【dearest】や【precious】といった単語を使うそうですが、鳩というのがオシャレ。


ゼルダがイングウェイに対して言った『ジェリコのラッパはすでに鳴ったのだ』というセリフ。
ジェリコは古代パレスチナの都市名で、旧約聖書のヨシュア記に7人の祭司のラッパと指導者ヨシュア率いる
イスラエルの民の声でジェリコの城壁は破壊されたと記されていて、エヴァンゲリオン第9話にも出てくるセリフ。
このジェリコの壁は約9千年以上前に建てられ、旧約聖書では戦争と関連して描かれていますが、最近の調査では
戦争のために作られた防壁ではなく「雨期に町を洪水から守るためのものだった」と推測されているようです。

この作品における壁というのは戦争の火種であったり、人々の格差を生むためのものとして描かれていますが、
それと同時に王国と共和国に関わる人たちの「心の壁」を描いていて、壊すだけではなく誰かを守るための壁。
第1話のエリック、ちせの父十兵衛やドロシーの父ダニー、洗濯工場のマリラ、委員長やガゼルなどもそうです。
みんな誰かを守るために戦っている。国を守るためと言っているのは建前であり嘘であると言えると思います。
アンジェたちを守るためについた嘘が心の壁を壊したように、ロンドンの壁も少しずつ壊れていくといいですね。




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