物理的領域の因果的閉包性


放課後のプレアデス 感想と考察のまとめ 『地上の星/ヘッドライト・テールライト』

2015-06-28 2015


『放課後のプレアデス』は、事故で壊れた宇宙船を修復するため宇宙人に呼ばれた5人がエンジンのカケラを集める物語。
すばるは親友あおいとの関係に悩み、ひかるは賢いが故に物事の結末を恐れ、いつきは他人を傷つけることに怯え、
ななこは離ればなれになった母と弟を悲しむ。それぞれが将来の可能性を秘めながらも、心を閉ざしてしまっていた。
そんな5人が同じ運命線に集められ、魔法を使って13個のカケラを1つずつ掴み取ることで、少しずつ成長していきます。

カケラを確定させるということは可能性を得るということ。しかしそれは13個の1つでしかなく、またエンジンの一部でしかない。
つまりそれは可能性のきっかけを掴んだということであって、人間として成長したということでも大人であるということでもない。
宇宙船が直っても旅は終わらないのと同じように、人は可能性を模索する限り成長が終わることはないし、進化し続けられる。
そんな無限の励ましとも取れるこの作品のテーマの奥深さに宇宙を感じます。無数にある可能性という名の星が漂う宇宙。




中島みゆきの歌に『地上の星』という曲があります。NHK『プロジェクトX~挑戦者たち~』の主題歌として有名ですね。
その歌詞を見てみると、この『放課後のプレアデス』につながるような部分がいくつもあるんですね。

名立たるものを追って 輝くものを追って 人は氷ばかり掴む
風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく
つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう

エンジンのカケラは自分達のためではなく宇宙人のためのもの、そういう意味では氷ばかり掴んでるとも言えます。
「みんな何処へ行った 見送られることもなく」は、ラストそれぞれの運命線に飛び立ったシーンと重なります。
また「地上の星は今 何処にあるのだろう」は、元の運命線に戻ったすばる達の未来に捧げてるようにも取れます。


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同じシングルに入ってる『ヘッドライト・テールライト』は車を連想させますね、スバルだけに。その歌詞を見ると

行く先を照らすのは まだ咲かぬ見果てぬ夢
遥か後ろを照らすのは あどけない夢
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

何者でもないすばる達の儚さを歌ってるようにも思えるし、希望が残されてるようにも感じます。

過去の傷に痛みながら今を選んで未来を夢見る。
魔法を使えた運命線はもうないかもしれないけど、その日々を照らすものは必ずどこかにあるし、光輝くときが来るんでしょうね。


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