アウトライターズ・スタジオ・インタビュー 第16回 「てぎさん」
アニメの感想をブログやツイッターで表現されている方々に質問して答えてもらう
『アウトライターズ・スタジオ・インタビュー』
第16回はブログ『こづかい3万円のひび』のてぎさん @tegit です。
アニメを好きになったきっかけを教えてください。
中学生のときに『新世紀エヴァンゲリオン』を観て。ただ、最初に観たときはピンときませんでした。
友達の話を聞いたり、雑誌を読んだり、声優のラジオを聞いたり、ほかのアニメを観たり…と周辺に手を伸ばしていくに従って、いつのまにかエヴァに限らずオタク文化全般が生活の一部になっていった、という感じです。まるごと味わって「なんかカオスだけどとにかくおもしろい!」っていう衝撃が原体験ですね。
好きなアニメ作品を教えてください。
映画・テレビそれぞれ三本ずつ選びました。
映画:『プリンセスと魔法のキス』、『思い出のマーニー』、『マクロスフロンティア サヨナラノツバサ』。
テレビ:『ハートキャッチプリキュア』、『ガッチャマンクラウズ』、『ラブライブ!』。
好きな作品の中から1つ選んで、好きな理由を教えてください。
今一番愛しているのは『ラブライブ!』ですが、自分のブログでさんざん語っているのでここでは控えておいて、『ハートキャッチプリキュア』について語らせてください。
三十代にもなって恥ずかしいのですが、いまだに自意識をもてあましているというか、本当になりたい自分と今の自分のギャップに絶望していまして、毎日、もう死にたいとか思いながら過ごしているわけです。ハトプリは、そういう鬱屈を全否定するでもなく全肯定するでもなく、希望と勇気と愛をもって一歩前へ踏みだそう、と背中を押してくれた作品でした。
プリキュア四人それぞれの物語はそれぞれに魅力的ですし、キャラクターデザインやアクションもシンプルなのに見応えがある。声優さんの演技、音楽と、すべての要素がダントツに素晴らしい大傑作だと思います。映画も大好きです。
主に作品のどういう部分に注目しますか?
豊かかどうか、です。
目に見える絵としての出来ではなくて、その映像から観客がどれだけ多くの意味や価値を見いだせるかどうか。
例えば『ガッチャマンクラウズ』の作画はとても高水準とは言えないですけど、演出や物語によって、今の世の中の空気感や、新しいヒーロー像など、さまざまな意味を映像に重ねて、観る側の心を複雑にゆさぶってくれます。
もし作画がすばらしいとしても、その美しさがキャラクターの心情や物語とマッチしているかどうか、こそが問題だと思うわけです。絵のためだけの絵じゃつまらない。
そうした、ぱっと見の印象だけではない部分をどれだけ汲み取って観ることができるか、を大事にしたいと思っています。
あなたにとってアニメとは?
底なし沼。
これだけ楽しいものが、これだけ大量に作られているなんて、おかしいですよ。ちょっと怖いくらいですね。本格的にはまったら仕事を辞めて廃人にならざるをえないので、心にブレーキをかけながら観ています。
感想(考察)を書こうと思ったきっかけを教えてください。
子供のころから、本や映画の感想をノートに書いて家族や友達に見せる習慣があったので、感想を書くこと自体は日常の一部という感覚です。
さらに、自分の好きな作品を知らない人たちに向かって「こんな面白いものがあるんだぞ! みんなわかってくれ!」と叫びたいという、義務感みたいなものに駆られて、ネットで公開するようになりました。聞かされるほうはたまったものじゃないと思いますけど、高校のときから15年くらい続いているので、もう一生やめられないと思います。
感想(考察)を通して何を伝えようとしてますか?またどう伝えようとしてますか?
「自分の見ているものがいかにおもしろいか」を伝えたいと思っています。
えてして自分語りのほうに傾きがちなので、できるだけ冷静に、事実を積み上げて論理的に書きたいとは思っているのですが、難しいです。趣味嗜好の合わない人にも届くような文章が目標です。
あなたにとって感想(考察)とは?
世界のどこかにいるかもしれない同志への手紙。
ブログを書く場合、構想?日、実際に書く?時間、書いている時間に遊んでしまうことはよくある?
平日五日間のあいだに手書きのメモで基本を作って、土日のどちらかでまとめる、というペースです。二時間くらいで本文を一度書き、一晩か半日寝かせて推敲したうえで公開します。
自分は集中力がないので、むしろ「一時間書いたら遊ぼう」とか、期限と自分への褒美を決めてから書くときもあります。自分の文章の癖として、長い時間をかけても冗長になってしまうだけなので、好きな作品について書くときほど、そういう制限をつくったほうがうまくいく感じがしますね。
好きなキャラ・制作会社・スタッフを3つ(3人)ずつお願いします。
キャラ:月島雫(『耳をすませば』)、来海えりか(『ハートキャッチプリキュア!』)、東條希(『ラブライブ!』)、
制作会社:(制作会社の詳細を語れるほどの知識はないのですけど、強いていうなら)サンジゲン、東映アニメーション、サンライズ
スタッフ:松本理恵、上江洲誠、岩崎琢
影響を受けたブロガーと読んで影響を受けた記事を教えてください。
(今現在リアルタイムでブログやTwitterを読んでいて、かつアニメ関係の発信が多めの方に絞って言うと) aomeyukiさん(@aomeyuki)、「NIPPORI SOUNDTRACK」の日暮里炒飯さん(@curenippori)、「マンガ☆ライフ」の九条水音さん(@mizune)、です。
ここ最近、いちばん影響を受けた記事は、びおれんさん(@phanomenologist)の「ラブライブ!は美しい」です(http://hiyamasovieko.hatenablog.jp/entry/2015/06/24/004202、http://hiyamasovieko.hatenablog.jp/entry/2015/06/29/201133)。こういう説得力と誠実さと愛を感じ取れるような文章を書きたい、と強く思わされました。
BD・DVD以外に購入するものは?(イベント参加可)
ある作品を好きになると、作り手の言葉が読みたくなるので、ムックやメイキング、インタビューが掲載された雑誌などの活字媒体をよく買っています。
基本的には、キーホルダーとかフィギュアとか、モノ系のグッズは買わないんですけど、先日生まれて始めてキーホルダーを買いました。『ラブライブ!』の東條希です。
というのも、ライブや同人即売会に何度か行くに従って、「自分が誰推しか」をアピールしたいという気持ちが芽生えてきたんです。三十年以上生きてきて、まさかキャラもののキーホルダーを鞄につけるようになるとは...と我ながら驚いています。
あなたが感想を書いていくためのモチベーションは、どこから湧いてきますか?またモチベーションを維持する方法など
2015年は今までになくブログを多数閲覧されたこともあって、閲覧数やtwitterのRT・FAVが随分励みになりました。
でも、そういう数字の増減に調子づいたり落ち込んだりする性格なので、できるだけ気にしないようにもしています。
モチベーションが落ちたときは、とにかく作品を観るようにしています。アニメだけでなく、実写の映画や本など、他ジャンルのものを広く多く摂取して、袋小路に陥らないようにしようと心がけています。実際はなかなかうまくいきませんが...。
宣伝・アピール欄
偏ったことばかり書いています。守備範囲は狭くてまばらですけど、気が合いそうだったら時々のぞいてもらえればうれしいです。
・ インタビューにご協力頂きありがとうございました
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