物理的領域の因果的閉包性


アウトライターズ・スタジオ・インタビュー 第19回 「闇鍋はにわさん」

2016-01-24 インタビュー


アニメの感想をブログやツイッターで表現されている方々に質問して答えてもらう
『アウトライターズ・スタジオ・インタビュー』
第19回はブログ『Wisp-Blog』の闇鍋はにわさん @livewire891 です。


アニメを好きになったきっかけを教えてください。

 特別好きになったきっかけとしては「ガンダム」の存在が外せません。幼少時に公開された「逆襲のシャア」のνガンダムがとても格好良くて。映画自体は二択を迫られてドラえもんの方を見に行ったのですが(えー)。90年代に全盛だったテレ東夕方アニメが出身地(アニメ不毛の地・静岡)ではほぼ全く見られなかったのですが、このコンテンツの存在がアニメへの特別な関心を保ち続けてくれました。
 もっとも「見られない」という環境の中で「見られない→オタク趣味の中でもアニメはディープ→アニメは恥ずかしい物」という意識を持ってしまい、旧劇エヴァを見た後あたりでガンダムのファンもやめ、数年間「漫画は読んでもオリジナルアニメはほぼ見ない」という偏屈な人間になっていたのですが。振り返るとコンプレックスこじらせてますね。
 でも結局アニメから離れきることはできず、「見られる」環境で生活するようになってから段々と「アニメが好きな自分」を認められるようになりました。そうした時期に見た作品で記憶に残っているものとしては「GA 芸術科アートデザインクラス」「アマガミSS」などが挙げられます。
 少年時代に「アニメが好き」と開き直れなかったこと、アニメの歴史と自分の歴史が連動していないことは今となってはこれまたコンプレックスなのですが、そういう人間だから書ける感想もあるのじゃないかなと思っています。


好きなアニメ作品を教えてください。

 新しいものから順に10本並べてみます。

「ジョジョの奇妙な冒険(TV版)」
「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」
「よんでますよ、アザゼルさん。」
「氷菓」
「GA 芸術科アートデザインクラス」
「TEXHNOLYZE」
「NieA_7」
「マクロスプラス」
「ポケットの中の戦争」
「蒼き流星SPTレイズナー」


好きな作品の中から1つ選んで、好きな理由を教えてください。

 1つに絞るなら「ポケットの中の戦争」です。正確にはコミカライズの方を先に読んだのですが……バーニィの死、そしてそれが核ミサイルの阻止という意味では全く必要なかったという結末に、雷に打たれたような衝撃を受けました。僕にとって漫画やアニメにおける「フランダースの犬」というか、物語はハッピーエンドで終わるとは限らないし、それが心を激しく動かしてくれることもあるんだということを教えてくれた作品なんです。


主に作品のどういう部分に注目しますか?

 各要素の「物語に与える影響」に着目するように心がけています。そのキャラや組み合わせが脚本上でどんな役割を担っているのか、その行動が場面をどう変化させているのか。何気ない場面が存在することにどんな意味があるのか。劇的な場面はどうやって見る者の心を動かす仕組みを作っているのか。ひいては30分の間に視聴者の心がどうアップダウンするように組み合わせられていたか(そして僕の心のアップダウンはそれとズレていたか)。「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画からアニメへの丁寧な変換を見て、変更点にどんな意味があるのか考えるようになったことが今のスタンスに繋がっているように思います。
 そうして描かれているものを部品に分解することでキャラの心情が1段深く掴めたと感じることがあり、そういう場合はそのキャラが一気に好きになってしまいます。今期ですとユーフォの中世古香織ですとか、きんモザの小路綾ですとか。


あなたにとってアニメとは?

 情報量に溢れた娯楽、でしょうか。作為の産物の割合が大きいから色々な部分に発見できるものがあって、様々な切り口から感想の書きやすいメディアかなと思います。


感想(考察)を書こうと思ったきっかけを教えてください。

 1つには最初は日記としてブログを始めたので、更新のネタにちょうど良かったからでした。書くものが浮かばない→放置して自然消滅 だけは避けたかったんですwww アニメであれば毎週素材は提供してくれるわけですから。
 2つには、現在はTwitterに主軸を移されている@hetadara(火鷹)さんのブログ「下手の考え休むに似たる」の感想が面白かったから、というのがあります。作品に対して前向きな視聴の姿勢、端的にまとめられた高密度の文章。今も昔も憧れです。意気揚々と更新した後でこの方のツイートを見ると、自分が長々書き連ねないと説明できなかったことをあっさり圧縮した上で更に上を行くつぶやきをされていて落ち込むことがありますwww


感想(考察)を通して何を伝えようとしてますか?またどう伝えようとしてますか?

 自分が感じたものの理由、でしょうか。プラスにしろマイナスにしろゼロにしろ、その作品に対して自分の感情が動いた(動かなかった)のは何故なのか。「楽しかった」「感動した」をもうちょっとだけ突き詰めて吐き出したいのだと思います。
 ですからどう伝えようとしているかと問われれば、「できるだけ感情を生のまま文章化しないよう心がけています」という回答になります。それでも溢れてしまう感情はその分弾みのついたものになりますし、あと「真顔でボケる」というもう1つの流儀と対照的でいいかなとw


あなたにとって感想(考察)とは?

 1つにはその時見たもの、感じたことの記録です。上でも書いたように、日記の一環として始めたものですので。記録には連続性が必要ですから、見ることにしたものは全て見て、最後まで書きます。
 2つにはアニメを楽しむための手段です。言語化する過程で、視聴しただけでは見つけられなかったものに手を届かせてくれます。


ブログを書く場合、構想?日、実際に書く?時間、書いている時間に遊んでしまうことはよくある?

 実際に書くのは1~3時間くらいでしょうか。深夜アニメをリアルタイムで試聴する体力はないので、録画したものを翌朝視聴。仕事に行って帰宅したらもう1度視聴。感想の骨子になる部分を探して、後は関連するシーンを確認しながら……という感じ。締め切りを設定しないとサボってしまうので、基本的には視聴後24時間以内に書くことにしています。
 「画面の端に○○が映ってる!」みたいな気付きはどうやったって集団の方が上なので感想まとめサイトを見たりもしますが、自分の感想が引きずられないようできるだけサラッと、流すように読むことにしていますね。個人の感想サイトは読んだら確実に引きずられるので、書き終わるまでお預け。
 書いている時間に遊んでしまうことは……感想の骨子が見つからないと他のことに逃避してしまう時はあります。


好きなキャラ・制作会社・スタッフを3つ(3人)ずつお願いします。

<好きなキャラ>
・小路綾(きんいろモザイク)
 女の子同士なのに陽子との関係はむしろ少年少女的で、百合的なキャラとして独特なのがかわいい。

・ゲルトルート・バルクホルン(ストライクウィッチーズ)
 謹厳な軍人としての姿と妹バカとしての愛らしさの両立がかわいい。

・読子・リードマン(R.O.D)
 眼鏡っ娘好きの理想を固めたようなキャラ造形がパーフェクト。

以前、Twitterで同じタイプの質問を受けた際は綾の代わりにジョジョ4部の東方仗助が入っていましたが、これはまだアニメが放映されてないのでw

<好きな制作会社>
あまり制作会社については意識しないのですが、それでもすごいと思った会社を2つ挙げます。

・京都アニメーション
 昨年までは「他所よりも卓越した美術力」と理解していましたが、「響け! ユーフォニアム」は卓越どころか「他所では作れなかった作品」であると感じたため。

・オレンジ
 「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」の戦闘シーンは見る度に発見があり、僕の中のCGアクションへのイメージをひっくり返してくれました。

<好きなスタッフ>
こちらもあまり意識しないのですが、それでもすごいと思った方とその作品を挙げます。

・水島努(「よんでますよ、アザゼルさん。Z」監督)
 下ネタ下ネタアンド下ネタな原作をアニメ化するにあたっての規制回避方法が素晴らしい。特に6話の半裸ランナーの出し方はもはや芸術としか言いようが……

・會川昇(「コンクリート・レボルティオ」脚本)
 複雑なテーマを1話完結スタイルに無理なく畳んでしまう手腕に驚愕。

・富野由悠季(「ガンダム Gのレコンギスタ」総監督)
 この人の作品群を理解できているかと言えば多分さっぱりなのですが。「○○節」と限定する形では作品を捉えたくないなと思っているのですが、Gレコは富野節としか言いようが無いほど個性が強い。噛み砕くのにこんなに歯応えのある作品、他の人が作っても見向きもされなかったのではないかと思います。そしてその甲斐も確かにあった。


影響を受けたブロガーと読んで影響を受けた記事を教えてください。

・「へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~」の火鷹さん(@hetadara)さん
 アニメ感想の面白さはこの人の感想から知りました。

・「もす!」の神酒原さん
・「妄想詩人の手記」のおパゲーヌスさん
 感想を書き始めた初期に、「氷菓」や「中二病でも恋がしたい!」の感想でその濃密さに魅了された方々です。
 特に神酒原さんの中二病最終回の感想が見せてくれた着眼点は、僕の同回の感想に決定的な影響を与え、アニメ感想を書く上での最初のブレイクスルーのきっかけになりました。あれがなかったら、今僕が書いている感想は全然違うものになっていたんじゃないかなと思います。

最近であれば「イマワノキワ」のコバヤシさんの感想の文脈の確かさが素晴らしく、読んでいて勉強になるところが大きいですね。


BD・DVD以外に購入するものは?(イベント参加可)

 資料集やサントラ、内容によって小説など。日常使うタイプのグッズは汚れていくのが悲しいので、基本的に買いません。


あなたが感想を書いていくためのモチベーションは、どこから湧いてきますか?またモチベーションを維持する方法など

 僕としては息を吸ったら吐くように、アニメを見たら感想を書くというのが一連の流れになっています。吐かないとスッキリしない、どういうものだったか自分の中で折り合いがつかないというのがモチベーションの源でしょうか。
 維持する方法としては、些細でも「自分で見つけたこと」を感想に盛り込むことですね。それは確実に自分の中から出た言葉になるので、吐き出す気持ちよさ=モチベーションに直結してくれます。


宣伝・アピール欄

 噛めば噛むほど味の出る作品、「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」の2期が4月から放送されます。ウルトラマンっぽいものなどが出てきますが元ネタに対する理解は必要ありませんし、時系列のシャッフルも「この回における過去か未来か」だけ分かれば十分です。dアニメストアなどで見られますし、2期前にまたYoutubeなどで一挙配信などしてくれるのじゃないかと思いますので、興味がある方はぜひ……!(ダイマ)



・ インタビューにご協力頂きありがとうございました

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