物理的領域の因果的閉包性


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アウトライターズ・スタジオ・インタビュー 第56回 「コバヤシさん」

2016-01-15 インタビュー


アニメの感想をブログやツイッターで表現されている方々に質問して答えてもらう
『アウトライターズ・スタジオ・インタビュー』
第56回はブログ『イマワノキワ』のコバヤシさん @lastbreath0902 です。


アニメを好きになったきっかけを教えてください。

ごくごく普通の子どもとしてTVアニメに溺れていた時代から、自発的・積極的にアニメを摂取するようになったのはOVAを見るようになってからだと思います。
ちょっとディープでナードな友人たちと、少し背伸びした話題で盛り上がる感じでしょうか。
ちょうど"天地無用"第一期をはじめとするパイオニア作品や、"ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日"などが出始めた頃合いで、『わざわざ自分で選んでアニメを見る』という行為は、ここら辺で身に沁みついた気がします。

作品単位で腰までハマったのは月並みながら"新世紀エヴァンゲリオン"でして、第一話を見て即座にビデオを巻き戻してもう一回見て、コマ送りで見て、朝学校に行く前に見て、学校で「エヴァ見た!? マジやべーよアレ!!」と大盛り上がりの勢いでした。
「使徒がミサイル握るときに腕が"グッ"って膨らむ所、まじいいよナー」とか吠えてる、イヤーな中学生でしたね、ハイ。


好きなアニメ作品を教えてください。

『ミチコとハッチン』『シスタープリンセス(無印)』『少女革命ウテナ』『Go! プリンセスプリキュア』『シムーン』
……5個ザラッと並べると、どこかにフェミニズムの要素を含む作品ばっかだな。


好きな作品の中から1つ選んで、好きな理由を教えてください。

『ミチコとハッチン』
マングローブが傾く原因になったリッチな(リッチすぎる)作品であり、監督はドラッギーな酩酊感の描写をされたら日本一な山本沙代。
薄汚いブラジルを舞台に、人格が破綻したクソ犯罪者女とクソガキ娘が、娘の父親を探して又旅してくロードムービーです。

とにかく出てくる連中みんな生き汚くて、泥の匂いのする世界の中でなんとか生き延びようと食って、裏切って、逃げて、もがいてます。
キャラクターは手前勝手で独善的で、良くぶつかり合って、あんまり落ち着かない。
そういう自由でエゴイスティックな衝突を繰り返すうちに、だんだん我欲を超えた情が鍛え上げられていく過程が、最初から愛を用意された物語とは違う特別な手触りを、この作品に与えていると思います。
ブラジルの風景や毎週(2クール24話!)変わる服装など、美術方面のパワーも相当なものがあって、キャラクターが人生の中で感じ取っている空気を共有できる、結構レアな作品だと思います。
後音楽ね、ナベシン直系だけあって山本作品は本当に音楽が良い。


主に作品のどういう部分に注目しますか?

『お話の見取り図が見えてくるか』と、『なにか新しい体験をさせてくれるか』でしょうか。
自分は構造を重視する見方が多くて、シーンや場面がどう繋がってどういう全体図を作るのか、キャラクターの特定の要素がお話しの中でどう生きるのかという、パーツと全体の関連に強い興味があります。
お話は必ず終わる(実際には終わんない話もたくさんあるけど)わけで、目指している終わりがなんなのか、そこにどう持っていくのか、その過程で何を見せるのかという設計図が、製作者にはあるはずです。
終わりはお話を完走しなければ辿り着けないわけですが、その途中で見せられる様々な要素は終わりに繋がるパーツであり、同時にそれ自体が輝きを放つ重要な個体でもある。
一見矛盾する二つの属性をコントロールしながらお話は進むので、その取り回しが巧く行っているか、巧く行っている(行っていない)原因は何かということに、自然と注目しながら見ています。

アニメにかぎらず、というかフィクションにかぎらず、人間は物語の形でしか世界を認識できない存在だと思います。
認識する全てにキャラクターとストーリと設定をつけながら人生を泳いでいる中で、人間は物語に慣れていくし、飽きてくる。
そういう鈍麻を切り裂き、背筋をシャキッと立たせて人生の姿勢を整え直す役割が、わざわざ『物語として物語化された物語』、フィクションにはあると思うのです。
人生のビタミン剤としてのアニメ・フィクションに大事なのは、自分が未だ見ていない物語、『これは知らないぞ』『これは面白いぞ』と前のめりになる体験ではないか。
それを飲み込ませるためには、実はこれまで人類が積み上げてきた莫大な物語経験の中での『当たり』、一般的に気持ち良いとされる物語の『定番』をどれだけ抑えているかが、非常に大事なのではないか。
斬新と温故の間にあるバランス、新規性を目立たせる足場としてのオーソドックスな足場。
そういうものも、アニメを見るときに気になるポイントです。
ヘンテコなものが好きなんです、アニメにかぎらず。


あなたにとってアニメとは?

娯楽です。
なくても大丈夫だと言われているけど、やっぱりないと人間死んじゃうし、だから人類必死になって娯楽を考えてきたし、今も必死でアニメを作ってもらえてる。
ありがたいことだと思いながら、ぼーっとアニメ見てます。アニメ最高。


感想(考察)を書こうと思ったきっかけを教えてください。

ネットに繋がった時個人サイトが元気だったので、流行りに乗っかりつつ自分が書けるネタとして『フィクションの感想が良かろう』という感じです。
そのままボーッと木っ端サイトを続けていたわけですが、もともと内輪向けに書いていたアニメ感想をはてなでも公開するようになり、他人様の目に触れる形になりました。
2015年真ん中あたりで、これまで複数作品をまとめて更新していた形態を各作品・各話ごとに切り分けて更新しはじめた結果、グーグルスコアが上がったらしく、Hit数が大きく増えました。
おそらく殆どの方が、このタイミングでブログを読む機会を得られたんじゃないでしょうか。
形式と見ている人数が変わったので、書いているものへのスタンスもここらへんから大きく変わっているかな、という感じです。


感想(考察)を通して何を伝えようとしてますか?またどう伝えようとしてますか?

あくまで個人の足場を大事にして、『感想』にとどまるよう話の大きさを抑えることでしょうか。
言葉というのは浮遊しているもので、一度世に放たれたらどう解釈されてもしょうがない側面があると思います。
それは無責任な言いっ放しを正当化する理由ではなく、浮遊しているからこそ極力、自分の願いが相手に届くよう言葉を選んで書こうという意欲の源です。
そんな浮遊した言語の中で唯一確かに決定できる(ように見える)ものは、自分の気持なわけです。
『俺がこう感じた』『俺がこう思った』という事実それ自体は、他人がどう受けろうとも否定されない結構確かな土台でしょう。
自分の感覚を大事にして、それを他人に伝わりやすい形でどう表現していくか。
同時に他人に自分の文章が届くという奇跡を、どうやって引き寄せていくか。
難しいけれども、疎かにしたくないポイントです。

『だ・である』という強い断言調で真実を捏造したり、主語を大きくして政治的なパワーを引き寄せたりという欲望はあまりに魅力的なので、こうして何度も意識しないと簡単に滑り落ちていってしまう穴だと思います。
しかしそっち方面に滑って行くと、どんどん『アニメが面白い』『アニメが好きだ』という足場を見失って、『褒められたい』『誰かの上に乗っかりたい』という欲望が先に出てしまう。
それは哀しいことだし、不誠実でもあると思うので、どうすれば素裸の素直な感想を書けるかが、自分の中では大事です。

考察や研究を名乗るためには結構厳密なロジック構築と、資料のチェックがいります。
自分にとってはブログの更新は娯楽であり、『研究・考察』を名乗る資格のためのコストはちょっと割高です。
あくまで『感想』に足場をおいているのは、そういう怠け心の現れでもあります。
アマチュアでアニメ『研究・考察』されている方には、頭が上がりません。

具体的なレトリックとしては
・極力ポジティブにアウトプットする。他人の愚痴は読んでもあまり面白くない。
・ネガティブな印象を吐き出さないと気がすまないなら、言葉の使い方には気を配る。
・褒めにせよ貶しにしろ、表現の手数を増やす。類語を太らせる。
・『、』を置くポイントに留意する。長い文章になりがちなので、テンポを取らないと読めない。
・感じたことはちゃんと言う。人を傷つけそうなら飲み込むのではなく、言い方を考える。
・リビドーを無視しない。感じた単純な気持ちよさを大事に、下品にならないように掘り下げていく。
あたりでしょうか。


あなたにとって感想(考察)とは?

これも娯楽です。
書いてて楽しい、読んでいただけたらより楽しい。
ポジティブで相互的な楽しみだと素晴らしいと、いつも思います
なかなか叶わないわけですが。


ブログを書く場合、構想?日、実際に書く?時間、書いている時間に遊んでしまうことはよくある?

構想自体はアニメを見たあと、熱が残っているうちに手早くまとめます。
何が面白かったか、何に心が動いたかをチェックし、話の重心をどこに幾つ置くか確認し、ザラッと頭のなかに見取り図を作って、熱が冷めないうちに書きます。
特に踏み込んだ読解無しで書くと大体三十分、ガッツリ取り組むと二時間くらいでしょうか。
何度も見返したり、構造をカッチリ組んで時間を書けて書くスタイルもやってはいたんですが、熱が冷めて何を言いたかったのか分からなくなったり、文章量だけが増えてコアな部分がぼやけたりしたので、今は一回見の一気書きメインでやっています。
横道にそれるとどんどん熱が逃げていくので、書く時は極力一気に書くようにしています。


好きなキャラ・制作会社・スタッフを3つ(3人)ずつお願いします。

・キャラクター 姫宮アンシー(少女革命ウテナ)、神崎美月(アイカツ!)、綾波レイ(新世紀エヴァンゲリオン)
・制作会社 京都アニメーション、スタジオパブロ、サンリオ(これはスポンサーだけど)
・スタッフ ふでやすかずゆき、土屋理敬、岩崎良明


影響を受けたブロガーと読んで影響を受けた記事を教えてください。

水音さんの『マンガ☆ライフ』です。
アニメの感想に前のめりになりかけた頃にこちらのプリリズDMF感想を読んで、『女児アニを大真面目に語っても良いんだ』『大人の視線で丁寧に分解していくことで、女児アニから見えてくるモノがあるんだ』『そしてそれは、言葉にして共有する価値のあるモノなんだ』という勇気をもらいました。
『好きなことを適切に好きだというと、誰かを元気にする』という体験は、自分がブログを続ける支えになっています。


BD・DVD以外に購入するものは?(イベント参加可)

モノのたぐいはあまり買いません。


あなたが感想を書いていくためのモチベーションは、どこから湧いてきますか?またモチベーションを維持する方法など

一つにはPV数やコメントといった、他人様からの反響です。
やっぱリアクションがあると手応えを感じるし、自分がやってることが認められた感覚は嬉しいものです。
同時に自己満足といいますか、自分の言いたいこと・感じたことを巧く言葉にまとめられた時の快楽も、大きな動因足りえていると思います。
Webに文字を書く行為はそういう、客観と主観両方の満足があって続いていくんじゃないですかね。

モチベーション維持に関しては、喜びつつ捨てるといいますか、特定の勘定にとらわれないで淡々と書いていくのが大事かと思います。
浮かれていると足を掬われるのが世の中の常でして、気持ちがアガるネタ一つにこだわりすぎると、どうにも不自然で不自由になっていくのが自分という人間のようです。
なので喜びは喜びとして受け止めつつ、飛び上がり過ぎないように自制してジワジワやっていくことが自分的には大事です。
あとは特に考えず続けて、『習慣』にしちゃうことですかね、『惰性』ではなく。


宣伝・アピール欄

世間の狭い人間ですので、特に宣伝できるような繋がりはございません。
もし何かのご縁と幸運がありましてまたお目にかかれることがございましたら、望外の幸せであります。
今回の企画は自分がアニメ感想を書く理由や方法を洗いなおす、良い機会となりました。
お声をかけて頂き、ありがとうございました。



・ インタビューにご協力頂きありがとうございました

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