物理的領域の因果的閉包性


マイベストエピソード10選

2016-08-16 ベストエピソード


元記事:マイベストエピソード10選 - Paradism @shirooo305


ef a tale of memories. 2話 「upon a time」



物語の “起” を描いた挿話としては歴代最高峰の挿話です。美少女ゲームらしく楽しいやりとりの序盤と立ち込める暗雲のバランスが絶妙で、受け手の不安を駆り立てる演出がとても冴え渡っていました。ラスト数分にはまさしく濁流が押し寄せるような衝撃があり、私自身初めてこの作品を観た時は身体が硬直し動くことが出来なかったのを今でも鮮明に覚えています。フラッシュバックと規律よく寄せる波の対比。まるで走馬灯のようで、現実との境界が曖昧になるような。本当に素晴らしい挿話だったと思います。


マリア様がみてる 春 5話 「いつしか年も」

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淡々と進む卒業式に誰もいない校舎や教室。劇伴として流れる仰げば尊しもその歌声がフェードアウトすれば一段と静けさは強まり、画面からは一層として侘び寂びの美徳が滲み出します。おそらく卒業を主軸に据えた回ではこれまで観てきたアニメの中で一番素晴らしかった挿話だと手離しで称賛せずにはいられないほど。スカートのプリーツは乱さないように、 白いセーラーカラーは翻さないようにゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。凛とした背筋のまま学園を去る三人の卒業生の後姿が今も忘れられません。


君に届け 6話 「友達」

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キャラクターの感情を繊細に切り取るフィルムがとても素敵だったこの挿話。爽子の独白から明らかになる彼女の心情を目の前に突き出されるともうどうしたって泣かずにはいられないのです。「友達が欲しかった。でもいつも諦めていた。けど、あなたたちだけは諦めたくなかった」 と語り出す彼女の心情にシンクロするように差し込む陽の光と零れ落ちる水滴の音。演じられた能登さんの優しく包み込むような語り口も本当に素晴らしく、全ての要素が巧く噛み合った挿話だったと思います。この作品らしいデフォルメを生かしたコメディパートとの兼ね合いも凄く良かったと思います。


ARIA The ORIGINATION 4話 「その 明日を目指すものたちは…」

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ARIAシリーズの分岐点となった挿話です。感情が存分に載った豊かな表情をじっくりと映し切り取っていくカメラワークは、これまで描かれてきた本作の雰囲気をしっかりと踏襲しつつ、そこへ新たな価値観を見出してくれたように思います。それぞれが想い描く夢と期待、そして不安。各々が見据える先に輝き続けた一等星は、そんな少女たちの未来をも予見してくれていたのかも知れません。井上英紀さんのコンテ・演出・一人原画というのも素晴らしいですね。まさしく最高峰の挿話です。


CLANNAD AFTER STORY 18話 「大地の果て」

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何度観ても何年経ってもこの挿話を観れば必ずといっていいほど嗚咽が出る程に泣いてしまう挿話です。高雄さんの演出、キャラクターに対する寄り添い方が本当に優しく、朋也が父親の陰を自分自身に重ねながら、娘である汐と向き合い始めるその過程は今でもしっかりと心に焼きついています。あれから少し年を重ねた今だからこそ分かることも多く、年々自分にとっても感じることが多く重みのましていく挿話でもあるように思います。


紅 kurenai 6話 「貴方の頭上に光が輝くでしょう」

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会話劇の面白さや楽しさが溢れ出る本作において、この挿話はまさしくそのを代表となるようなフィルムになっていたように感じます。序盤から中盤に掛け描かれる各キャラクター同士のやりとりと、そこからシームレスにミュージカルへと移ろう作劇の巧さ。プレスコだからこそ描くことの出来る台詞への感情の乗せ方は実に生き生きとした表情を幾つも産み落としてくれていたように感じます。狭い空間を巧みなレイアウトで切り取り、色とりどりのモーションで鑑賞者を楽しませてくれたのも素晴らしいです。こういう悪ふざけみたいなノリに作画のカロリー費やすのもかなりロックですね。


苺ましまろ 6話 「真夏日」

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何もないとある夏の日の出来事をただありのままに切り取った挿話。本作らしい絶妙なテンポと極力BGMを排し環境音だけで繰り広げられる彼女たちの意味不明な遊びは、一度ツボに嵌ると抜けられない魅力に溢れていて、私自身いつも我慢できず吹き出してしまいます。この挿話は特にサイレントコメディなんかにも挑戦していて特に意欲的に感じられます。でも、最後はみんなで揃ってアイスを食べながら夕陽を眺めるなんていう静けさもありつつ、なんだか子供の頃に感じたあの懐かしい日々を想い出してしまうような感傷に浸れるのもこの挿話の強みなのかなとも思います。


イリヤの空、UFOの夏 3話 「十八時四十七分三十二秒」 (OVA)

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時間の圧縮と凝縮。テンポの良さと決して損なわれることのない不思議な夏の質感。ひと夏の恋と永遠の恋が交差する瞬間をその心情を汲み取りながら丁寧に描いたまさに名話です。あらゆるモチーフに込められた意図は言うに及ばず、ラストシーンにおける “たった二人だけ” のキャンプファイヤーとフォークダンスは筆舌に尽くせない素晴らしさ。ラストカットが差し込まれた瞬間には自分がどれだけこの挿話に魅了されていたのかということにいつも驚嘆させられます。本当に素晴らしい挿話です。


トップをねらえ2! 3話 「トップレスなんか大嫌い」 (OVA)

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叶うはずのない奇跡を叶える物語。宇宙空間に降り注いだ雪はまさしくそうした数々の奇跡の象徴で、それは何重の意味にも折り重なりながら遂には彼女の想いをもあの人の元へと届けてくれたのでしょう。奇跡は叶えることが出来ないから奇跡なんじゃない。奇跡を叶えるために居るのが私たちトップレスであり、私たち自身が奇跡になるんだという、まさしく願いそのものが形を成したようなフィルムだったんじゃないかなと感じます。恋に破れた少女がそれでもその運命に抗い、時空を越えてまでその想いに生きた証として、私自身この挿話は永遠に語り継いでいきたいと思います。


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 12話 「蒼穹ニ響ケ」

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「音は響いて、そして伝わる――」 その言葉を最大限の美しさを持って表現したこの最終話は私にとっても本当に掛け替えのない挿話になってくれたように思います。さらには各キャラクターの心の整理もしつつ、眠っていたタケミカヅチの武力をもしっかりと描いてくれたのでもう個人的には申し分のない最終回でした。観る度に泣いてしまうラストシーンはまさに圧巻。世界が終わりに近づこうとも人々はその意思がある限り生き続けるし、社会が戦いを強いろうとも人々は自らの意思で戦いを止めることが出来るのだと、そんな美学をまざまざと描いてくれた本作のまさに集大成とも呼ぶべき映像だったと思います。


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