物理的領域の因果的閉包性


マイベストエピソード10選

2016-08-23 ベストエピソード


元記事:マイベストエピソード10選 - リビングルーム @real_tenshi


①さくら荘のペットな彼女#23 「卒業式」


脚本:岡田麿里 絵コンテ:いしづかあつこ 演出:池端隆史


岡田麿里という人を始めて意識した作品です。原作との違いが一時期論争にあがりましたね。いずれにしてもこの卒業式は何度観ても涙なしに観ることが出来ません。第1話からずっと積み上がってきたさくら荘の記憶が確かなものが形となって花開く。そして個人的にはそれ以上に上井草美咲という人の苦悩と歓喜を前面に押し出した答辞のシーンは空太たちとともに号泣。積み上がった超青春ドラマの一つの形を彼らによって全面に見せられ、刺激を受けます。


②まおゆう魔王勇者第九章 「わたしは“人間”だからっ」


絵コンテ:下田正美 演出:小柴純弥


まおゆうを知る人なら言わずと知れた有名な人間宣言のシーンです。私は原作からこのアニメを知ったのですが、とても大きな歴史観の中から世界の動向と人々の営みが語られます。このままその世界の歴史を語り継いでいくのかと思いきや、メイド姉の密かに積み上がってきていた感情からの人間宣言。ドイツ文学でいうゲーテの前時代、レッシングを想起させられました(大学時代にドイツ文学を専攻していたので)。「わたしは"人間"だからっ!」宗教の壁、歴史の壁をも人々は乗り越えることができるのだなと。。そして自由への意志。この時代を生きる人々にとっての自由とは何であったのか、そしてその後に何になりうるのか。とても重要な考えだと思います。そしてこの大きな事件すら歴史の転換点の一つとして捉える、雄大な叙事詩「まおゆう魔王勇者」は本当にすごい。原作読み進めなきゃ。


③ソ・ラ・ノ・ヲ・ト第12話 「蒼穹ニ響ケ」


絵コンテ・演出:神戸守


正直に言いますと、これがベストではないけれど…のコンセプトに反しています(笑)。全話数がベストエピソードではあるのですが、あえてひとつを選ぶとしたら、@shirooo305 さんの選択と重複もしますが第12話です。語り口は本当に様々にあるのですが、私見としては音楽というものが持つ本質的な意味と力を唯一真っ向から示してくれた作品として最高の話数であり作品だと思っています。あえてこの写真(戦争をしなくていいんだ!と敵兵も喜んでいる)を選んでいるのは、砦の乙女たちの物語だけではなく、一つの大きな人間讃歌の作品であると言いたいからです。


④らき☆すた第22話 「ここにある彼方」


脚本:賀東招二 絵コンテ・演出:高雄統子


この写真だけでこの作品のこの話数を選びました。この話数の後半はこなたの家族について描かれているのですが、今までの作風を否定することなく、しかし他とは大きく一線を画すコンテ、演出、色彩設計、陰影、カット割り...え、らき☆すたってこんな作品だっけ!?と初見の時のインパクトはとても大きかったです。ここで初めてこなたをはじめ、彼女の家族に対して生命の息吹が宿ったのではないかと思っています。最後はギャグで締めるあたり安定安心のオチで崩されることなく作品として成立はしていますが、普通の監督だったらここから作品の方向性をグッと変えざるをえなくもなるのではないかと心配するくらいにすごいと思いました。


⑤エルフェンリート13話 「不還(ERLEUCHTUNG)」


絵コンテ・演出:神戸守


エルフェンリートも、もはや何がすごいのか思い出せないくらいにすごい作品です(笑)。よくエログロとも言われますが、これほどまでに生きることと向き合った作品はないのではないでしょうか。少なくとも死の視点から。この13話は鞍馬博士の物語の完結とルーシーの救済が描かれています。最後のワンシーンまで本当に目が離せない。典型的な構造かもしれませんが、世界を破壊しうる力を持つ少女がもはやどうすることもできないなかで、神戸守(監督)という人はコウタ(主人公)に胸を預け、感情グチャグチャのままでも「許す」という本能と理性とそれから解き放たれた選択をさせた...このシーンにものすごく人間の限界を突き抜けた解放と、作中に背負ってきたルーシーのすべての罪を赦すという救済を与えたのは、なんだか本当に嬉しかった記憶が思い出されます。。


⑥AIR最終話 「そら〜air〜」


絵コンテ・演出:石原立也


これまで久川綾さんというとセーラーマーキュリーのイメージが根強くあったのですが、この作品で覆されました。特に最終話であるこの話数は本当に名演でした。私は作品の良し悪しを自分なりに考える時、あまり声優で選ぶことはないのですが、これは脚本と声優久川綾さんの演技がもはやすべてと言っても個人的には過言ではないかと思っています。この話数の最初から最後まで、ぜひ彼女の演技とドラマに注目してください。


⑦やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続第8話 「それでも、比企谷八幡は。」


脚本:大知慶一郎 絵コンテ:RoydenB 演出:岩崎光洋


きました、オレガイル続。これ以降の話数に関しては原作も含めて少し疑問を呈したいところもあるのだけれど、ここは今回の選択に外せないかなと思いました。彼はようやく本物という言葉と出会い、触れ、希望の光の一筋を見つける。どんな人にもそこに道はある。あとは、どう歩むか、歩みたいかだけなんだと思う。最後まで彼らの心の揺れ動きを丁寧に紡いでいってほしかった。


⑧響け!ユーフォニアム第十回 「まっすぐトランペット」


絵コンテ・演出:山村卓


中川先輩です!私は彼女にとても肩入れしています。それは、今までアニメのキャラクターとしてははっきりとは描かれてこなかった、普通の流されやすい、目立たないけど気の優しい人を丁寧に描いてくれたから。彼女の青春もとても大切なものなんです。優しく描いてくれてありがとうという言葉しか出てきません。彼女の存在は久美子だけではなく、私たち視聴者にもちょっとした勇気と優しさを与えてくれます。


⑨ココロコネクト#16 「覚悟と氷解(ミチランダム)」


絵コンテ:金崎貴臣 演出:黒川智之


この作品の原作は私にとっての生きるバイブルです。アニメも声優陣がとてもいいですね。演者たちもこの作品のファンだとか。正直これも話数を選ぶのに手間取りました。最後には、これまでの積み重ねが一番凝縮されたこの回を選びました。人格入れ替わり、欲望解放、時間退行と3つの試練を乗り越えてきた文研部の5人。その中でも常にみんなの中で明るく立ち居振舞う永瀬伊織が今回の感情伝導で大きく影響を受けます。自分自身の中に眠る様々な人格とそのコントロールから解放された時、彼女に与えられたのは「絶望」でした。それらは仲間の思いやる感情に当てらることによってより深くもなりましたが、最後には「自由」への「希望」へとその姿を変えていきました。この回と次の最終回前半ではこれまでの心の機微を追うだけではなく、自由...永瀬伊織にとっての自由とは何であるのか、という問に正面から向き合っています。


⑩アイドルマスターシンデレラガールズ第25話 「Cinderella Girls at the Ball.」


脚本:高橋龍也 絵コンテ:鈴木健太郎 高雄統子 演出:鈴木健太郎 矢嶋武 益山亮司 岡本学 原田孝宏 高雄統子


最後に選んだのはこれです。夢と希望、そしてその輝きを持って私たちを照らし続けてくれている作品。アイドルとは何なのか。それは前作のアイドルマスターでも問われていたものでした。シンデレラガールズでは普通の女の子たちが如何にしてお城の階段をのぼり、輝きを得て、いや、見出していくのかということが丁寧に紡がれていきます。前の24話も本当に素晴らしいのですが、あえて25話を選んだのは、すべてを力強く乗り越えた彼女たちが次のステージへと進んで行く、魔法はもしかしたら解けたのかもしれないけれど、そこに終わらない新たな世界が待ち受けているという希望と不安、そしてそれらもきっと乗り越えていけるだろう、という一種の連関定則、成長プロセスの不変性と彼女たちの実在感を私たちに訴えかけてくれたからです。ここでいう実在感が意味するのは、彼女らの存在がそもそも生き生きとし、本物として捉えられるのはもちろん、そのことによって私たちが当事者としてその物語に関与できる、ということ指していると私はしたいです。アイドルとは何なのでしょうか。


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