物理的領域の因果的閉包性


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TVアニメマイベストエピソード7選

2016-08-27 ベストエピソード


元記事:TVアニメマイベストエピソード7選 - うつけ者アイムソーリー @ponzu_citron



R.O.D ―The TV― 1話 「紙は舞い降りた」
脚本:倉田英之 絵コンテ:舛成孝二 演出・作画監督:石浜真史


 石浜真史と言えばR.O.D。
 中でもこのTV版1話はみねねを主人公とした「行って帰る」物語として完成されており、強く印象に残ってるエピソード。
香港という都市が持つどこか混沌とした空気感が魅力的で、虚無を抱えたみねねが彷徨う雨の夜が醸し出すエモーショナルな情景がたまらない。
 どこかへ行ってしまった「大切な人」の面影を求めるみねねは、そこで風変わりな三姉妹と出会う。作家として、一人の人間として自分を扱ってくれる姉妹との交流が少しだけみねねの渇きを満たす。そして、彼女を襲う嫉妬と切望がねじ切れた悪意が、失いかけていた作家としてのプライドに再び火を灯した。
 みねねの再起に呼応するかのように、再び彼女の目の前で真っ白な紙が舞う。その流れの中で、日本へと帰っていく彼女を包み込む画面いっぱいの紙、紙、紙。流れるのは否応なしにアガる待ってましたのテーマ曲。
 外連味を溢れさせながらも、しっかりと重力を感じさせる大立ち回りが圧倒的な高揚感を連れてくる。新たな『紙使い』を道連れに、菫川みねねは物語の表舞台に帰ってきた。
 凝ったレイアウトの端々で細かい芝居を見せるキャラクターたちの描写が、画面の中での息吹を感じさせる映像世界。アニメーションの快楽に満たされる、最高の1話の一つです。



GUNGRAVE 14話 「DIE」
脚本:黒田洋介 絵コンテ・演出:都留稔幸 
作画監督:菅野利之、菊池聡延


 他の方が既に挙げられていて、出来れば被りたくないと思ってたけど、これだけは絶対に外せない話数だったので。
 過去と夢を共有し、少年期から青年期に至るまでの時をずっと共に駆け抜けてきたハリーとブランドン。ただ、守るべきファミリーと、目指すべき自由の比重の違いが、ジワジワと心理的な距離を空けていく。
 鮮やかな色彩の情景が印象的で、ハリーのグラスに注がれるワインがとうとうと理想を語るビッグ・ダディを紅く染めていく描写。何よりも、抜けるような青い空と輝く雲、そしてそして空に舞う真っ白なシーツ。
 純粋な子供の頃の憧れを共に抱いて、しかし同じ過去を抱く二人でも、かつての友を想うブランドンと変わらぬ渇望を抱くハリーの溝は浮き彫りになる一方。
 そしてアニメ史上に残すべきと勝手に思ってるエレベーターのシーン。
 ここで画面の彩度は一度落ちて、ガラス張りの無効には二又の別れ道。
 光の中に立つ黒スーツのブランドン、影の中に佇む白スーツのハリー。互いに背中を向けて立つ二人。
 訪れた静寂が、息が詰まるほどの緊張感を生み、やがて決定的瞬間は訪れる。
 光と影の境界線に落ちる銃が、ジレンマに引き裂かれそうなブランドンの逡巡を表し、ハリーの愛憎が容赦なく引き金を引く。
 染まる血の紅、そしてガラスが破られた時、再び鮮やかな青い空がその素顔を覗かせる。
 そこからのサブタイトル、そして青い空に見える太陽に向かって駆け抜けていた二人の姿から色が喪われるモノクロのED演出。最高、完璧です。



フルメタル・パニック! The Second Raid 6話 「エッジ・オブ・ヘヴン」
脚本・画コンテ・演出:山本寛 作画監督:池田和美


 みんな大好きヤマカン回。
 相変わらず学校と軍務の二重生活に駆けずり回りながらも、徐々に前者の方に比重が傾いていく宗介。しかし軍人である自分も切り捨てられない以上、完全には「普通の生活」に馴染めない様が散髪を巡るスラップスティックによって描かれていく。
 そんな宗介に突っ込みを入れつつも、理解を示すかなめの呆れを交えた視線は優しく、共に観る美しい夕日の情景だけが、放課後の青春を共有できるという眼前たる事実を示し、違う世界に住んでいたはずの二人の心を近づけていく。
 そんな二人の絆を象徴するのが何度見ても天才の所業としか思えない散髪シーン。愛おしむかのように宗介の髪に触れるかなめの繊細な手つき、まるで禊のように切り落とされる宗介の髪。BGMを排する英断が、二人だけの静かで優しい世界を演出する。
 このシーンには愛が詰まっているんですよ!
 かなめを中心に象られていく宗介の新たな日常が、あっけなく壊されるラストシーンの無常観も素晴らしい。
 オーバーな表現に頼らず、絶妙な間の取り方によって心情の変遷が描かれた紛れも無い傑作回でした。



鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 19話 「死なざる者の死」
脚本:大野木博 絵コンテ:石平信司 演出:宮原秀次 
作画監督:大城勝


 マスタング大佐を中心とした軍部チームが、ついに影に潜んでいた不死者・ホムンクルスとのエンカウントを果たす回。
 全体的な評価を言えば、グラトニーの脅威を描く一連のアクションカットや、ラストが大佐の手袋を外す細かな作画など見所もあるにせよ、原作そのままでまったくアニメ―ションに最適化されてないギャグ表現と荘厳なBGMの著しいミスマッチや、肝心な部分に見られる画面構成の平凡さなどなど、シリーズ全体の駄目な部分(徐々に改善されるとはいえ)がどうしたって目立つ出来。
 しかしそんな事はどうでも良くて、語るべきはやはりマスタング大佐VSラストの圧巻の映像体験。
 筆ペンの荒々しいタッチで描かれる、画面一杯の爆炎によって燃やされる人体描写の凄まじさたるや。初見時のインパクトは相当なもので、今でこそ有名になったアニメーター亀田祥倫さんが一気に名を上げたシーンでもあります。あ、モブサイコめっちゃ面白いです!
 アニメーターの名前といえば、松本憲生さんや中村豊さん、あとは安藤真裕さんぐらいしか知らなかった私が、原画マンの名前を覚える楽しみを知ったのはおそらくこれが切っ掛けです。
 もちろん今でも大して詳しい訳ではなく、自己満足に浸るだけのにわか趣味ですが、これもまたアニメの見方が広がった一つの体験だったなと、振り返ってみて思います。その意味でも、本エピソードは私の中で特別な位置づけにあると言っていいのかもしれません。
 忘れてはならないのが、ラストの最期の表情の美しさ。ホムンクルスとしての誇りを持って生きた、彼女の死を原作以上に魅力的に描いてくれた点こそ、私は評価したいです。



となりの怪物くん 12話 「年は暮れゆく」
脚本:高木登 絵コンテ・演出:出合小都美 
作画監督:近藤奈都子、岸友洋


 冒頭から雨の中に佇む夏目あさ子の足を映すエモいカット。
 本エピソードは彼女のナイーヴでさびしがり屋な内面にフォーカスしており、振れ幅の大きい感情の揺れ動きが表情豊かに描かれていて、甘くもどこか生っぽさの残る種崎敦美さんの好演が光る。種崎さん、当時はまだ新人だったけど、この頃から既に器用さの片鱗を見せているという印象。
 夏目あさ子を通じて描かれているのは、モラトリアムにある少年少女の関係性そのものであり、いつまでも仲良しでいられないその刹那性の要因を自身の経験から恋愛感情に押し付けようとする、彼女の聡さと愚かさがエピソード全体に渡って淡い影を落とす。愛すべき軽薄さすらも嫌悪する彼女の振る舞いは、時に罪のない少年を傷付けかねない鋭さを放ち、彼女が求める理想を自分から遠ざけてしまうことに気付かない。自意識の痛々しさがアンニュイに描かれる夏目ちゃんの有り様が愛おしい。
 しかし、自分自身の内に芽生えた恋心に気付いた時、縋るように求めていた誰も傷付かない世界が絵に描いた餅だという事も認めざるを得なくなり、その時再びライトに照らされた彼女の頼りない足元が映しだされる、この演出構成。そこからの告白は、彼女が目の前の現実と向き合った決意の証。
 今が永久に続かないことに目を向けた彼女が、大切な友達の寝顔をカメラで写す、その何とも言えない絶妙な表情。一人の少女が、一つ大人になってしまう、その一歩を年明けと共に描くエピソード。
 最高にゾクゾクします。



凪のあすから 24話 「デトリタス」
脚本:岡田麿里 絵コンテ:吉原正行 演出:菅沼芙実彦、松林唯人 
作画監督:川面恒介、川口千里、小谷杏子、宮下雄次


 本当は最初15話を選ぶつもりだったんですが、久沼さゆという少女がいたことを皆さんに忘れないでいて欲しいという気持ちが勝りました。
 というか私が忘れていたので、戒めを込めての選出です。

 紡が人々の想いを海に漂うデトリタスに例えたように、この作品の登場人物は誰もが誰かに気兼ねして自分の気持ちに蓋をする連中ばっかりで、気付かれないようにと押し殺した想いの解放が終盤のテーマにもなってくる訳ですが、そんな中で最もストレートに力強く自分の「スキ」を伝えたのがこの女、久沼さゆ。
 エレベーター、歩道橋と並ぶ激エモ舞台装置である踏切さん大活躍の名告白シーン。踏切と言えば君嘘最終回も良かったですね。
 斜に構えた要に対して、正面から相手を見据え思いの丈を叫ぶさゆ。同時に踏切が降りて、二人の間を電車が通り抜ける。
 これまで傍観者であり続け、常に物分りの良い面の皮を被ってきた要の孤独に、ずっと努力して自分を磨いてきたさゆが試みる正面突破。
 向こう側とこちら側を隔て、走る電車に阻まれる二人の距離。しかしあまりにも真っ直ぐなさゆの想いによって、時間と心のズレによって生じていた距離が電車の速度によって縮まったかのように、踏切を挟んでようやく対等の時間軸に収まる。
 やってみなきゃ分からない、伝えるっていうのはこういう事なんだと、パワフルに示した久沼さゆ。ベストオブ石原夏織です。



遊☆戯☆王ARC-V 34話「結合魔獣vs進化する隼」
脚本:上代務 絵コンテ・演出:高田昌宏 作画監督:蛯名秀和


 現在放送中の作品から。とはいえとっくに観るのを止めてしまったシリーズ。
 しかしこのエピソードは最高に面白く、自信を持って選出できます。

 盛り上がる舞綱チャンピオンシップ、そこで行われる紫雲院素良と黒咲隼のデュエル。
 ハイレベルの攻防を見せる両者に湧く観衆たち。しかし常に一歩先を行く黒咲に、あどけない少年の顔で観客を盛り上げていた素良の化けの皮が徐々に剥がされていく。
 別次元からやってきた二人は、実は侵略者とそれに抗うレジスタンスの関係。彼らの因縁が詳らかになるにつれ、デュエル会場は次第に戦場へとその姿を変えていく。
「デュエルはみんなを幸せにするもの」。エンタメデュエリストであった父を慕う主人公の信念は、デュエルを戦争の手段として扱う別次元の人間たちによって揺るがされる。
 当たり前に信じていた価値観の転覆が描かれる様相が素晴らしく、素良が扱う可愛らしいモンスターは内に潜む猟奇的な本性を曝け出し子供たちを恐怖に陥れ、観客を魅せる手段であったアクションデュエルは縦横無尽にフィールドを跳びまわる戦士の超人的スキルとして発揮され、人々を笑顔にするデュエルは弱者を狩るゲーム、そしてそれに抗う力として扱われる。
 ソリッドビジョンで描かれた虚構の街が、二人の「戦争」の余波で崩壊していく様は、そのまま寄る辺を失う観客たちの心情にリンクし、それを目の当たりにした主人公・遊矢は悲痛に叫ぶ。
「やめろー! こんなのデュエルじゃない!!」
 そんな中で揺るがぬ存在感を示すのは、何度やられても必ず強くなって立ち上がり、逆境を次々と跳ね除け、奪われた仲間を必ず取り返すという強い意志を秘めた黒咲の眼光。両者の在り方が、デュエルの展開とリンクして描かれていく構成もまた素晴らしい。
 たかがゲームが世界の命運を握る戦いになっていく、ホビーアニメの性質を多次元の交錯という遊戯王らしい手法でメタ的に描き出した傑作回でした。


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