物理的領域の因果的閉包性


アウトライターズ・スタジオ・インタビュー 第117回 「kato19さん」

2017-08-31 インタビュー


アニメの感想をブログやツイッターで表現されている方々に質問して答えてもらう
『アウトライターズ・スタジオ・インタビュー』
第117回はkato19さん @id_kato_19 です。


アニメを好きになったきっかけを教えてください。

 きっかけは『劇場版 魔法少女 まどか☆マギカ』です。

 40代ですので子供の頃からアニメはたくさん見てました。古くはTV作品なら『宇宙船サジタリウス』(1986)や、映画なら『銀河鉄道の夜』(1985)とか大好きでしたね。成人してからも新海さんの『秒速』やアニメ版『時かけ』には相当ハマりました。

 でも深夜アニメ、特に萌えアニメはずっと食わず嫌いだったんですよね。それが打ち破られたのが『まどか☆マギカ』でした。
 
 公開当時、自分は結婚直後だったんですが、仕事のプレッシャーもあって軽い『ウツ状態』だったんですね。感情の起伏がなくなって、あれ、俺、大丈夫かな・・・って思ってるときに救ってくれたのがこの作品でした。感情が一気に爆発して、信じられないほどハマってしまい、毎日のようにまどかの話をしていましたね。

 その時は、あまりに異常にのめり込んだので、さすがに奥さんも怒ってしまい、シャレじゃなくて『離婚の危機』になりました。いきなり2次元が原因で離婚じゃ洒落になりませんね。

 反省して上映終了と共に一旦自分の中で区切りをつけましたが、こんなに素晴らしい作品があったことに驚き、その後は堰を切ったように深夜アニメにハマって行きました。ただ、先の反省から奥さんもできるだけ巻き込むよう配慮しています。


好きなアニメ作品を教えてください。

<深夜アニメに目覚める以前>
・宇宙船サジタリウス・銀河鉄道の夜・逆襲のシャア・オネアミスの翼・あずきちゃん・パトレイバー(劇場版1,2作)・秒速5センチメートル・時をかける少女・電脳コイル

<目覚め以降:劇場版作品>
・魔法少女まどか☆マギカ・たまこラブストーリー・劇場版ラブライブ!・心が叫びたがってるんだ・涼宮ハルヒの消失・傷物語・聲の形

<目覚め以降:TV作品>
・たまこまーけっと・境界の彼方・シドニアの騎士・涼宮ハルヒの憂鬱・ゆゆ式・俺妹・物語シリーズ(特に偽物語)・中二病でも恋がしたい・響けユーフォニアム

(一部省略形)他にもありますが、自分の好みを代表する作品群です。


好きな作品の中から1つ選んで、好きな理由を教えてください。

劇場版 『魔法少女 まどか☆マギカ』です。

映像、キャラクター、ストーリー、演技、音楽・・・すべてに驚きました。予告編の段階でものすごい吸引力だったのを覚えています。

 アニメの映像技術はここまで進歩してたのか、そして声優さんの演技がここまですごいものか!と感動しました。もちろんストーリーにも驚きましたが、なにより驚いたのは『魔法少女の変身シーン』の美しさです。(笑)自分がどれだけ偏見や食わず嫌いでいたか思い知らされました。

 劇団イヌカレーの映像技術や虚淵さんの脚本、新房・シャフトの演出など、お恥ずかしい話ですが全然知らなくって・・・見るものすべてが新しかったんですよね。最新のアニメーションに触れた興奮を誰かに話したくても、わかってくれる人が周りにいなくて困りました。

 もちろん単純に作品としても大好きで、どれだけ涙を流したかわかりません。その後たくさんの作品を鑑賞しましたが、今でもやっぱり『特別な作品』ですね。


主に作品のどういう部分に注目しますか?


 今はその作品にあった楽しみ方をするので注目点は色々ですが、共通するのは『色彩』と『OP/ED』ですね。

 『色』に関心があるので、美しい色彩の作品を見ると『色彩設計』のスタッフを調べることが良くあります。だからと言って詳しいわけではありませんが。Twitterで『仕上げ』や『色指定』スタッフの方をフォローしてチェックしています。(主に苦労話が多いですね、読むだけでスタッフの方の仕事話には絡むことはありません)

 OP/EDも好きで、特に『映像と楽曲の合わせ方』に注目しますね。好きな作品では構成・絵コンテをチェックして、監督とは別の人だったりすると『どんな人だろう?』と注目しますね。特に感動したOP/EDではTwitterで直接感動を伝えることもあります。


あなたにとってアニメとは?

 大げさなようですが『恩人』かな・・・実際に救われましたしね。まどか以降も精神的に救われたことが何度かありました。

 今はそれとは別に、新しい『刺激・知見』を与えてくれる存在。視野を広げてくれて、自分の常識を更新してくれる存在ですね。たとえば、中年になって新しい音楽を聴くことが少なくなったのですが、アニメを見るようになって新たな音楽をたくさん聴くようになりました。

 また、劇場作品では初日に見知らぬファンと一緒に観る、あの空気感、高揚感、なんだか粋な感じ。あれが好きなんですよね。自分にとっての『非日常・お祭り』のようなものですかね。相変わらず生活も楽じゃないし苦労も多いけど、こういう祝祭的なイベントは生活の張りになります。


感想(考察)を書こうと思ったきっかけを教えてください。

 直接のきっかけは『たまこラブストーリー』の予告編があまりに素晴らしかったからです。  

 ずっと以前から『映画やオーディオのレビューブログ』を作りたい!って思ってはいたんです。それまでに感動する映画をみたらパソコンのメモ帳に感想を書き溜めてはいました。でも結局公開には至りませんでしたね。

 『たまこラブストーリー』の予告は本当に好きだったので、居ても立っても居られないエネルギーを利用してブログを立ち上げました。今読み直すと、全く恥ずかしい記事なんですけどね(若い頃じゃなくて数年前ってのがさらにイタイ)自分語りの独りよがりですが・・・黒歴史としてあえて残してあります。

 Twitterや掲示板では短すぎるし、流れてしまうじゃないですか。感想とはいえ、自分の書きたいように作りこんで、形に残るものにしたくてブログ形式にしました。


感想(考察)を通して何を伝えようとしてますか?またどう伝えようとしてますか?

<何を伝えたいか>

 やっぱり、制作(製作)者とファンの人に『こんな風に感動している人がいるよ!』と伝えたいのかな?と思います。

 だから、自分が『どれほど感動したか・好きか』の熱量が伝わるように、そして『そう感じた理由』を説明します。だから『自分の感情』がメインになりますね。

 こういう方針なのでネガティブな感想は必然的に少なくなります。

 考察は必要があればしますがメインではないですね。ネタバレあらすじやキャラ情報なども必要最低限という感じです。あくまで『自分の感情』を文章にして伝えたいです。

 自分自身が読みたい感想ブログっていうのも、やっぱりその人自身の視点で感じたこと、感情の部分が読みたい事が多いですね。もちろん考察も面白いんですが。


<どう伝えようとしているか>

 自分の感想は長文が多いです。ポジティブな感想を漏らさず書き残したいので。でも長文がダメという方もいらっしゃるので工夫はしています。

 一番は、結論を最初に書くということですね。最初の章(300文字前後)で結論と一番伝えたいことは全て詰め込みます。次に、章ごとに話を(一応)完結させることです。どこで読み終わっても伝えたいことが伝わるようにしています。

 見出しはできるだけ章の言いたいことをまとめます。せめて見出しだけ読んでも伝わるように。そして引用画像のキャプションにも感想を入れて本文の補強にします。画像とキャプションで本文を読むリズムに変化をつけています。

 正直SEO的には逆効果かもしれないですけどね。最初にあらすじとスタッフ、キャラ紹介を羅列して、最後に感想を書く構成の方が検索ウケはいいかもしれません。でも『最後まで読まれなくて当たり前』と認識してからは、もったいぶらずに『伝える事を最優先』の構成にしました。

 それでも長文をやめないのは、長文でも読んでくれる(わずかですが)読者さんがいるのと、自分が作り手だった場合、自分の作品の感想は多少長くても喜んで読むだろうと思うからですね。


あなたにとって感想(考察)とは?

 『公開ファンレター』だと思っています。

 やっぱり感激する作品を見ると作った人に伝えたくなるんですよね。あのシーンすっごいよかったです!みたいな感じで。それを読んで他の人も『そうそう、自分もそう思ったんですよ』って広がるとすごく嬉しいです。

 ファンレターって言っても、別にお手紙形式になってるわけじゃなくて、気持ちとしてファンレターになっているって感じですけどね。

 自分がもらって嬉しいファンレターは、自分がこだわったところに気づいてもらえること。だから感動した部分や理由をこと細かに書きたいです。

 感想って『その作品』だけでなくて『書いた本人』の人間性も出てくるので楽しいんですよね。自分はプロの評論家ではないので、あくまで素人のファン視点からの立ち位置を大切にしていきたいと思っています。


好きなキャラ・制作会社・スタッフを3つ(3人)ずつお願いします。

<キャラ>
羽川 翼(物語シリーズ)
巴 マミ(魔法少女まどか☆マギカ)
(3人目が同率で決まらない・・・けど、あえて絞れば)
くみん先輩(中二病でも恋がしたい)

<制作会社>
京都アニメーション
シャフト
ポリゴンピクチュアズ

<スタッフ>
中村亮介 さん(ねらわれた学園 監督/四月は君の嘘 OP演出)
白石慶子 さん(アニメーション作家/乱歩奇譚OP/ED・クズの本懐ED 等 制作)
花田十輝 さん(脚本・構成)


影響を受けたブロガーと読んで影響を受けた記事を教えてください。

・物語るカメ(@monogatarukame)さん
『物語る亀』 http://blog.monogatarukame.net
 長文系にもかかわらず『初見での理解度』と『書くスピード』が信じられない速度で驚く。このような超人レビュアーと張り合うのは無理だと悟った。聲の形の連作は読み応えがある。違う意見も多いが丁寧な説明で興味深く読める。

・ねりま(@AmberFeb201)さん
『宇宙、日本、練馬』http://amberfeb.hatenablog.com
 エッセイ的な軽やかさで味わい深い感想を書き上げる。本当はあんな文章書ける人になりたかった・・・でも無理と悟って今のスタイルになった。

・MH (@animegane1216)さん
『アニメガネ』http://animegane1216.blog.fc2.com
 テーマを絞った極小感想。感情の一刹那をダイレクトに切り取って、手を加えずそのまま載せたようなフレッシュさに『こういうのもアリか・・・』と驚いた。このスタイルで長期更新続けるのもすごい。Twitterも興味深い。

・ぎけん(@c_x )さん
『物理的領域の因果的閉包性』 http://unmake.blog133.fc2.com
 世代が近くてOP/ED好きというのに共感。その上で自分との好みの違い、評価の違いが多くて興味深い。自分の評価の位置を認識する指標の一つ。


BD・DVD以外に購入するものは?(イベント参加可)

 グッズ類は稀にしか買いませんね。奥さんの目もありますしね。アニメ映画ではパンフレットすら買いません。その代わり好きな作品は何度も繰り返し見に行きます。


あなたが感想を書いていくためのモチベーションは、どこから湧いてきますか?またモチベーションを維持する方法など
 
<感想を書いていくモチベーション>

 もちろん、作品をみて感激した時にモチベーションが上がりますが、それだけじゃなくて自分なりの視点が見えた時に『書かねば!』という気持ちになりますね。別に特別な視点ってわけじゃないのですけどね。書いていくうちに見えてくることも多くて、そういう時には思いがけず筆が進むことがあります。

 もう一つは好きな作品が賛否両論だった時ですね。『劇場版 ラブライブ!』の時に否定的な感想が一時席巻したのですが、その時は絶賛派としてすごくモチベーションが上がりました。

 あの時は、検索しても否定的なブログが沢山出てきましてね、この作品の歴史的評価が『駄作』になってしまうことが許せないという気持ちになりました。義憤ですね(笑)『駄作』と思う人がいてもいいけど『傑作』だと思う人がこれだけいるってことを後世に残したかったんですよね。

 肯定派の記事を多数引用しつつ、自分が絶賛する理由を切々と書いていくあの時間はとてもモチベーションが高かったなぁ・・・楽しい思い出ですね。

<モチベーションを維持する方法>

 自分は長文なくせに書くのが遅くて・・・本当にモチベーションの維持には苦労しています。熱量をぶつけたいのに熱量が冷めちゃったら書けないですもんね。おかげで書ける本数はとても少ないです。

 アニメ映画の場合は、見た直後にできるだけ感じたことのメモを残します。ツイッターでの感想もメモ代わりだったりしますね。

 それから、感想を書く前に予告編や楽曲を聴いて気持ちを作品モードに戻すこともあります。さらに荒療治ですが、もう一回映画を見に行くことも結構あったりしますね。

 ちなみに、TVアニメの場合は『各話感想』というのが自分はとても苦手で書けないんですよね。なんででしょうね?見終わっても『書くモチベーション』につなげられないんです。全話一気見した場合は書けるんですけどね、これは簡単にできないですよね。

 だからTVアニメの感想がとても少ないのがちょっと悩みです。OP/EDは短時間で何度も見られるので書けるのですが・・・。


宣伝・アピール欄

 『アニメとスピーカーと…』というブログを2014年から書いていますkato19(@id_kato19)と言います。アニメの感想と自作スピーカーの紹介がメインのブログにするつもりでしたが、今ではほとんどアニメ感想になってしまいました。

 アニメ映画の感想とTVアニメのOP/ED感想が多いです。ブログ記事はどうしても作り込みたい衝動に駆られてしまい、1本書くのに数日から数週間かかることもざらです。おかげで更新頻度も少なめです。

 今後はアニメ感想はもちろん、アニメに関するオーディオ記事や自作スピーカーの記事も増やして、アニメファンとオーディオファンの間を橋渡しするようなブログにしたいと思っています。よろしくお願いします。

<アピール>
 ブログを始めて3年半経ちましたが『自分が感想を書く意味ってあるんだろうか・・・』と考えることが良くあります。最初は『好きなことを書けばいいや』と思っていましたが、検索で読んでくれる人がいるとやっぱり責任感を感じるんですよね。

 そう思ってたどり着いたのが、今のポジティブ系の感想なのかもしれません。『このブログは褒めてばっかり・・・』って思われてそうですが、自分が否定的に感じた作品でもたいてい『絶賛している人』がいるじゃないですか。なんの心配もなく絶対の自信をもって発表できるのって『自分の感動』だけなんですよね。
 
 アニメブログを始めて感じたことは、同じ作品を見てこれほど感想が違うのか!という驚きでした。視点の違い、楽しみ方の違い、すごく深く追求している人たち・・・アニメに関わる人たちの、いろんな事象がみんな面白いです。

 いい年をしてからアニメ再入門した世代なので、一体何歳くらいまでアニメに感動できるのか・・・自分自身を観察するのも興味深いです。いつまで学校舞台で共感できるのか?とか、性欲と萌えの関係とか・・・あと結婚している人は家庭とアニメのバランスをどう保っているのか?ってところも興味がありますね。

 まだまだ知らない事ばかりですが、いつまでも新鮮な感覚をもって書いていけたらいいなぁ・・・しかし、あとどのくらい自分はアニメを楽しめるんでしょうね。

 最後に、この企画への参加をご快諾いただきました、ぎけんさんに心より感謝申し上げます。なんかアニメブロガーになれた気がします。ありがとうございました。

ブログ『アニメとスピーカーと…』https://kato19.blogspot.jp
kato19/Twitter(@id_kato19



・ インタビューにご協力頂きありがとうございました

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