物理的領域の因果的閉包性


アウトライターズ・スタジオ・インタビュー 第154回 「新免輝さん」

2019-01-30 インタビュー


アニメの感想をブログやツイッターで表現されている方々に質問して答えてもらう
『アウトライターズ・スタジオ・インタビュー』
第154回は 新免輝さん @shisomeso_1009 です。


アニメを好きになったきっかけを教えてください。

 僕は昔からテレビっ子だったので、アニメを観る習慣というのは物心がついた時からあったように思います。したがって、アニメを好きになったきっかけは定かではありませんが、僕が子供時代に観ていた作品を振り返ってみると、『金色のガッシュベル!!』『NARUTO』『ケロロ軍曹』『ボボボーボ・ボーボボ』『おジャ魔女どれみ』などが印象的です。深夜アニメで最初にハマった作品は『魔法先生ネギま!』だと記憶しています。その次は『さよなら絶望先生』とかだったような気がします。


好きなアニメ作品を教えてください。

 数が多いので、テン年代に限定して10作品を選択しました。基準は自分でもよく分かりませんが、とにかく印象に残っている作品を列挙します(括弧にて原作を記しています)。あくまでも回答時点での思いつきなので、後に同じ質問をされたら、揺らぐ可能性も大いにあります。笑

『ガールズ&パンツァー』(オリジナル)
『琴浦さん』(漫画)
『一週間フレンズ。』(漫画)
『四月は君の嘘』(漫画)
『結城友奈は勇者である』(オリジナル)
『デス・パレード』(オリジナル)
『プラスティック・メモリーズ』(オリジナル)
『心が叫びたがってるんだ。』(オリジナル)
『Re:ゼロから始める異世界生活』(ウェブ小説)
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(小説)


好きな作品の中から1つ選んで、好きな理由を教えてください。

『心が叫びたがってるんだ』

 本作はのちに実写化もされたアニメ映画で、広くあらゆる世代の人たちに勧めたい作品です。僕はなんと言っても、主人公である成瀬順のキャラクター性に惹かれました。彼女は過去のある出来事から言葉を自由に発することができなくなった少女です。そんな困難を抱えながらも必死に前へ進もうとする彼女の言動からは、我々が普段から何気なく使っている「言葉」というものの意味について深く考えさせられます。そして彼女が自らのトラウマを、坂上拓実を中心とする周りの人間との関係性を通じて克服していく中での変化に、すごく感情移入してしまいました。
 また、主演を務めた声優の水瀬いのりさんの演技に感銘を受けました。キャラクターの持つディスコミュニケーション性を微妙な息遣いなどで見事に表現しており、自然な「もどかしさ」を醸し出しているように感じました。そこから溢れ出てくる人間味が、視聴者の心にすかさず入り込み、感情を突き動かしてくれる理由の一つなのかなと考えたりします。
 成瀬以外のキャラクターの逸話にも心を掴まれる場面が多々あって、良い面も悪い面も表出したリアルな「青春」の有り様を、まざまざと見せつけられたような感じがしました。僕としては、その中でも仁藤菜月(成瀬の恋敵的なポジション)が特に注目人物で、彼女の存在もまた、本作をより深いものにしている理由の一つとして挙げられます。
 他にも、成瀬の心を縛る「玉子の妖精」の存在や、作中で使われているミュージカル(及びその演出)など、細かいところで好きな部分は多々ありますが、語り出すとキリがないので、このくらいにしておきます。


主に作品のどういう部分に注目しますか?

 僕が最も注目するのは「キャラクター」です。設定や世界観に凝った作品は多々ありますが、それを生かすも殺すもキャラクター次第だと考えています。まず大前提として登場人物の魅力は大事ですし、何より、それぞれの行為が作品世界にどう影響しているかには目が行ってしまいます。また、作品世界に直接は反映されない内面の部分も重要になると思います。
 恐らくほとんどの作品は、キャラクターが無くては成立しません。キャラクターに注目すると、その動きであるアニメーション、それを演出する美術や音響、そこから紡がれる物語など、結果として作品の全てにつながっていると思うんです。キャラ立ちしている人物だけでなく、作品世界の中心ではあまり目立たない脇役でも、焦点を当ててみれば重要な役割を果たしていることもあるので、それを発見したりするのはとても楽しいです。さらに僕の場合は、キャラクターを見る上で声優の演技にも注目していて、役者の声質などが視聴者に与える影響についてもよく考えてしまうことがあります。


あなたにとってアニメとは?

 一言で表すのは難しいですが、本来は娯楽でありながら、僕にとっては子供時代からそれ以上の意味を持っています。
 実は小さい頃、活字を読むのが大嫌いでした。したがって当時は、知識を全てテレビなどの映像コンテンツから吸収していました。その中でもアニメは、感性を豊かにしてくれたり、語彙力を高めてくれたり、多様な考え方を教えてくれたりしました。自分の思考領域のうち、恐らく半分近くはアニメからの影響があるように思います。
 今ではサブカルチャーに関する研究(評論)を行なうようになり、その対象として大部分を占めているアニメは、僕の研究(評論)活動には無くてはならない存在です。アニメとは違う分野のサブカルチャーを論じる際にも、アニメの分析から様々なアイデアを得ることは多いです。
 以上のことを踏まえて考えると、子供時代の僕にとっては「人生における教材」であり、現在の僕にとっては「現代社会を読み解く鍵」ですかね。


考察(ツイート)を書こうと思ったきっかけを教えてください。

 きっかけというと、学生として研究(評論)を始めたことが大きいと思います。基本的には、社会学などの視点からサブカルチャー全般を扱っていますが、その中でも特に、アニメ(キャラクター)から見る文化や思想に興味があって、以前からオーディエンス分析を兼ねて、ツイッター等で資料となる情報収集をしています。その頃には自分も既に、アニメを観るたびにメモを取ったりはしていましたが、具体的に文章として発信するようになったのは最近のことだと思います。


考察(ツイート)を通して何を伝えようとしてますか?またどう伝えようとしてますか?

 僕はブログなどをやっているわけではなく、自分の研究(評論)活動に関わる文章を除くと、普段からネット上で発信している場所はツイッターだけです。したがって、何かを伝えようとしていると言うよりは、自分自身のために書置きを残しているような感覚があります。もちろん不特定多数の人に見られるものなので、少なくとも誰かが不快な気持ちにはならないように、文章の体裁や表現には気を遣っているつもりです。
 強いて伝えようとしていることを挙げるならば、その作品を観る上での「視点」や「観点」だと思います。ただ、今後の自分が見返した時に役立つように、専門用語などを短文の中に入れ込むことも多いので、一般のアニメファンからすると、理屈っぽくて分かりにくい文章になっているのではないでしょうか。笑


あなたにとって考察(ツイート)とは?

 僕が誰かの感想を読むのは、作品に対する視聴者の思いが分かるからだと思います。多くの人の感想を読むことで、自分だけでは気付かなかった魅力を発見できたり、自分とは違う視点や観点を持つことができたりと、感想を通して様々なことを学ぶことができます。したがって、僕にとってアニメの感想というのは、作品と視聴者をつなげてくれるものであり、それが感想を読む大きな意味なのかなと思います。また、そこから得たものというのは僕の研究(評論)活動にも直結するので、大事な資料だと言うこともできますね。


好きなキャラ・制作会社・スタッフを3つ(3人)ずつお願いします。

〈キャラ〉
○うちはオビト(NARUTO)
○シェリー・ベルモンド(金色のガッシュベル!!)
○成瀬順(心が叫びたがってるんだ。)

〈制作会社〉
○A‐1 Pictures
○J.C.STAFF
○動画工房

〈スタッフ〉
○岡田麿里(脚本家)
○梶浦由記(音楽家)
○石原立也(演出家)


影響を受けたブロガーと読んで影響を受けた記事を教えてください。

 ツイッターやブログなど、ネット上でアニメに関する文章を書いておられる方々からは、日々影響を受けています。目に入って興味が惹かれた文章は片っ端から読んでいるので、特定の誰かに影響を受けたと断言することはできません。
 それ以外で具体的に影響を受けた人物と言えば、文芸評論家の町口哲生(@tetuomachiguchi)さんと、ミステリー作家の小森健太朗(@komorikentarou)さんです。お二人とも近畿大学で教鞭をとっておられるので、僕にとっては身近で尊敬する先生方でもあります。特に町口先生の講義は何度も受けさせていただいていて、その永久保存版とも言える著書「教養としての10年代アニメ」シリーズは、僕にとって特別なアニメ評論集です。
 小森先生は、普段からツイッターでアニメに関する発言を頻繁にしておられます。アニメの視聴暦が長い方なので、その発言には重みがありますし、過去作との比較など様々な視点で呟きをなさるので、とても参考になります。小森先生がお書きになったアニメ評論の著書としては『神、さもなくば残念。』があります。哲学の視点がかなり織り交ぜられているので、素人がいきなり手を出すには少し難解な部分もありますが、本格的なアニメ評論として申し分のない内容となっています。


BD・DVD以外に購入するものは?(イベント参加可)

 ラバーストラップなどの小物は、可愛くてついつい買ってしまいます。あとはタオルやコップなど、実用性のあるものだと気軽に買いますね。小物は基本的に個々の値段が安いのでその都度の出費は少ないですが、「塵も積もれば」というやつで、気が付けば浪費していたという経験も多々あります。


あなたが考察を書いていくためのモチベーションは、どこから湧いてきますか?またモチベーションを維持する方法など
 
 僕が研究(評論)活動を止めない限り、そのモチベーションは続いていくと思います。ただ、もし活動を挫折してしまったとしても、それとは別に、趣味で文章を書いていくという可能性もありますが、それはその時になってみないと分かりませんね。モチベーションとは別の話ですが、何気なく書いたものに対して(批評も含めて)コメントを頂けたりすると嬉しいですし、そこから新たに勉強になることもたくさんあるので、ありがたい限りです。


宣伝・アピール欄

 まだまだ素人ではありますが、サブカルチャーの研究や評論をしています。その中でもアニメは対象として大部分を占めていますので、その成果を発信できるように頑張っていきたいです。また、大学では教職課程(科目は社会・地歴・公民)を履修していましたので、そこで培った知識と自分の研究を活かして、「アニメに学ぶ倫理」という教材提案の企画をぼちぼち発表させていただいております。これから少しずつ活動範囲を広めていくつもりです。
 評論活動を本格化させることが最近の目標だったりするので、できる範囲で文章を寄稿(投稿)したいと考えています。アニメを中心としたサブカルチャーの分野であれば大体は書けると思いますので、何か企画等がございましたら、是非とも情報提供をお願いいたします。ちなみに僕は声優が好きなのですが、今までに声優評論を書いたことがないので、特にテン年代の声優について論じられるような場があれば、喜んで飛びつくと思います。笑

 最後になりますが、ここまで読んでくださった皆様、そして、インタビュー企画への参加をお誘いくださったぎけんさんに感謝の意を表して、締め括りたいと思います。ありがとうございました。


・ インタビューにご協力頂きありがとうございました

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