物理的領域の因果的閉包性


【TVアニメ】 愛が重い百合5選

2019-05-02 話数単位


◆ たまこまーけっと 第2話 『恋の花咲くバレンタイン』


脚本:吉田玲子 コンテ:山田尚子 演出:三好一郎 作画監督:西屋太志



バレンタイン回。幼なじみである常盤みどりが主人公の北白川たまこを恋愛対象として好きだと自覚するお話。
商店街でみどりのおじいちゃんが「Everybody Loves Somebody」と言ったあとみどりが「みんな誰かを愛してる」
と言って後ろを振り向く。垂れ幕には「この気持ち 届けたい」と書かれてあるんですが『この気持ち』の部分だけが
みどりの視界に入るように描かれている。友人のたまこのことが好き、それでいいんだと気付く印象的なシーンです。
あくまでも友人として好きという気持ちを維持しながら相手にはっきり伝わるような言動は避ける。奥ゆかしいですね。

あと、みどりの部屋に青い鳥の描写が。青い鳥を探すが、結局は自分に最も手近な鳥籠の中にあったという童話の物語。
「リズと青い鳥」では鳥籠の中から出て自由に羽ばたく。ここでは好きの気持ちが常に自分の中にあったという比喩表現。
「たまこラブストーリー」でも重たい愛を抱えているように見えましたが、それを踏まえてこの話数を見ると感慨深い。



◆ STAR DRIVER 輝きのタクト 第15話 『封印の巫女』


脚本:榎戸洋司 コンテ:YUKIHIRO 演出:浅井義之 作画監督:武本大介



日死の巫女ヨウ・ミズノの担当回。第16話と合わせて2話構成になっていますが、結末を知ってから見ると面白い。
通常の百合とは違い過度のストレスから巫女の能力で作られた双子の姉とは名ばかりのミズノの分身ヨウ・マリノ。
マリノの「消えない幻は現実」というセリフが示す通り姉が自分の分身だと知った後も依存し最後は2人で島を出る。
姉妹百合としては斬新な愛のカタチであり、恋愛としてはもっとも理想的なケース。究極の百合と言っていいかも。

ミズノがバスの上からタクト・スガタ・ワコの3人を眺めるシーン。なぜバスの上に乗っているのかよくわからない。
でもワコが折り畳み傘を取り出して広げたときに傘で隠れる(タクトに恋してた)ミズノの「蚊帳の外感」が秀逸。
封印が解けて姉妹2人で新しい人生を歩む姿が描かれているが、御坂美琴が御坂妹と駆け落ち?と思うと心が痛い。



◆ のんのんびより りぴーと 第8話 『給食当番をした』


脚本:吉田玲子 コンテ:二瓶勇一 演出:あべたつや 
作画監督:橋本純一、しまだひであき、横山沙弓、吉田巧介 総作画監督:井本由紀



工作・給食当番・ぬいぐるみの3話構成。小学5年生の一条蛍は中学2年生の越谷小鞠がちっちゃ可愛くて大好き。
小鞠がベッドの下から大事にしてたぬいぐるみの「小吉さん」を見つけ蛍の家に行き慣れない裁縫で修復するお話。
蛍の部屋に自分のぬいぐるみが大量に置かれていることに驚かないどころか他の子も作ればいいと提案する小鞠。
かなりの天然ボケか聖母マリア並のママみでなければ難しいほどの言動。蛍もアレだが小鞠は総受けタイプの百合。

ウザメイドの鴨居つばめや わたてんの松本など主張の激しい変態キャラもいるが、小学5年のむっつり系はヤバイ。
ほのぼの日常系の中ではトップクラスのクオリティなのに蛍と小鞠だけを抜粋すると子供たちよりも親が可哀想。
自覚がないうちはいいが将来が心配。それほど重度、ヘイ重度。それでもこの話数は良い話なのでぜひ見てほしい。



◆ やがて君になる 第7話 『秘密のたくさん/種火』


脚本:花田十輝 コンテ:日下部智津子 演出:境隼人 
作画監督:中野友貴、日下部智津子  総作画監督:日下部智津子



1992年に『もう恋なんてしない』と歌ったのは槇原敬之ですが、本当に好きで居たいなら恋に落ちない程度がいい。
佐伯沙弥香も同じで、一人の友人としてライバルとして一定の距離感を保つことで七海燈子を好きで居続けられる。
この話数はとにかくコンテが素晴らしくて、沙弥香と燈子の距離感、植木やランプシェードを使った断絶・乖離描写。
セリフやモノローグを裏付ける描写が多く、ED前の児玉都が言った『本当の気持ちを飲み込むのは大変なことだよ』
サービスで出されたコーヒーが沙弥香自身であるかのような演出があり、言葉に答えるようにコーヒーを飲み干す。

まだまだ良い部分はありますが、女の良さを教えてもらった先輩からフラれ、誰からも距離を置こうとする燈子に憧れ
自分の気持ちを必死に抑えようと努力しているのに結果的には後輩に燈子を奪われてしまうという哀れな佐伯沙弥香。
好きになればなるほど報われない彼女がとても愛おしく、いつか幸せになってほしいと応援したくなる。がんばれ!



◆ プリンセス・プリンシパル 第10話 『case22 Comfort Comrade』


脚本:大河内一楼 コンテ:内藤明吾 演出:黒部万太郎、鈴木拓磨 
作画監督:坂井翔太、松尾亜希子、新井博慧、鶴窪久子、飯田剛士、小堺能夫、金丸綾子



第10話はラスト2話を前にスパイとしての厳しさを改めて描くことでこの作品の土台をしっかり見せる役割も果たせた。
アンジェ、ドロシーとスパイ養成所「ファーム」の同期だった通称委員長が2重スパイだとバレて自決するまでの物語。
「彼女は私がなりたくてなれなかった私なんです」、やがて君になるに例えて言うと「やがて君になるはずだった私」
スパイとして努力してもアンジェには勝てない、ドロシーみたいに普通の女の子を演じることもできない、不器用な子。
真面目すぎることを自覚していながらもどこかで逃げたい気持ちがあった。でも逃げたときのカバンにはクスリだけ。

アンジェを敵に回したら逃げられないという覚悟がすでにあって、最後ドロシーと会って無理だと確信したんでしょうね。
あなたになりたかったと言って死んでもドロシーなら受け止めてくれる、とてつもなく重い愛ですよね。最後まで不器用。
普通の女の子として生きることを許されなかった、弱さを見せたら死ぬしかなかった状況で愛を伝える重厚な百合でした。


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