物理的領域の因果的閉包性


へやキャン△ 第6話 「あのころは、ふたりとも」

2020-02-12 2020


脚本:伊藤睦美 コンテ・演出:神保昌登 作画監督:近藤律子



大垣千明と犬山あおいの出会いは小学生のとき。はじめて当たりが出て驚く千明のうしろをあおいが偶然通りかかる。
無理矢理呼び止めて「当たったのすごくない?」と言う千明に「う、うぅん... 」と戸惑った様子で返事をするあおい。
今までにない出来事に喜ぶ千明、それを諭すように「それはよ選ばんと当たりが無くなってしまうで」と冷静なあおい。
慌てながら自販機のボタンを押し、帰ろうとするあおいを呼び止めて、自分と同じつぶつぶコーンスープを渡す千明。




「最初に知り合うたんは中学のときや」となでしこに言うあおい。中学1年生の春。どうやら写生大会をしてる様子。
あおいが「その頃はまだあきの事よう知らんかったわ」と言い、なでしこが2人の顔を見合わせるが、2人共無表情。
階段のところに1人で座る千明と、友達らしき女の子と並んで座っているあおい。この頃はかなり距離がある感じ。




中学2年生の夏。南部町で行われる南部の火祭り。火のついた松明(たいまつ)をカゴに入れる「投げ松明」が有名。
投げた松明がそれて千明に当たりそうになり慌てて駆け寄るあおい。お互いの顔を見て少し驚いた表情をする2人。
「大垣さんやんな、同じクラスの、ほんまにゴメンな」と謝るあおい。何か言いたそうにしながら目を逸らす千明。
立ち上がり「アオヤマイヌコさんですよね」と言う千明に「いや、犬山あおいなんやけど... 」と苦笑気味のあおい。

小学生のとき当たりが出たことは覚えているだろうし、千明の戸惑う様子を見てもあおいを気にして見ていたはず。
しかしあおいは「同じクラスの」という言い方、つまり中学2年生のクラスメイトである認識しかないということ。
あおいを前から知っていると悟られてしまえば「なんで知ってるん?」と追求される恐れもある、それは避けたい。
苦しまぎれにごまかそうとして出た言葉が「アオヤマイヌコ」、実に千明らしい。そんな雰囲気の描写に見えた。




そして高校生の現在。「わたしもハズレたわ」と言うあおい。「みんなの無念はあたしが晴らすぞ」と意気込む千明。
しかし小学生のときのような運は無く「そうそう当たらんよなぁ」と千明、あおいも同じコーンスープを飲んでいる。
あおいが先に飲み物を買っているということは、無意識に飲みたくなったコーンスープなのか、偶然の産物なのか。
もしかしたら知らない振りをしてただけであおいも小学生のときを覚えていることを示すためのコーンスープなのか。

そこまでは定かではありませんが、自販機の釣り銭レバーのところが数字の7に見えて4つ並んでいるように見える。
記事を書いてるときに気づいたんですが、意図してやっているなら細かい演出ですよね。この回は見せ方が凝ってた。
一度見ただけでは気づかないようなギミックが多かった気がする。5分アニメでこれだけ質が高いのは反則ですね。
最終的には当たりが出なくても3人いれば幸せ、当たりがもたらした素敵な出会いがあったという回なんでしょうが、
それ以上にイヌ子呼びの原点や、千明のあおいに対する淡い想いが感じとれる良い回だったと思いました。尊い。



関連記事


Copyright © 物理的領域の因果的閉包性 All Rights Reserved.